29・グレンの拘り衣装 4
「あ~さっぱりした」
シャワーを浴び終えたグレンが呟いた。その前身はグッショリと濡れて毛が張り付いてしまっている。
「んっ? 何だコレ?」
シャワー室の壁の一か所だけ、赤い石の様な物が埋め込まれていた。その上には、『獣人の方は、この石を縦に軽く回して下さい』という、メッセージまであった。
「僕は猫獣人だから、回せばいいのかな…」
とりあえずグレンは、その石を回してみる事にした。石と壁の間には僅かな隙間があるらしく、簡単に回す事が出来た。すると…
ブワァァァ…
「フギャ!?」
突然シャワーノズルから蒸気が噴き出し、それを浴びたグレンは変な声を上げた。
「熱ちちち!!! な、何だ今のは!?」
慌ててシャワー室から脱出をするグレンであった。
『大丈夫ですか、マスター』
リアが冷静な声を掛ける。
「大丈夫じゃないよ!? 何、今の蒸気は!?…あれ?」
突然の事で気付かなかったが、何時の間にかグレンの毛は乾いていた。
『どうやら今の蒸気は、獣人の体毛を乾かす仕掛けみたいですね』
淡々とした口調で述べるリアに、グレンはある疑問をぶつける。
「リアさ…もしかして、仕掛けの事知ってたでしょ?」
『世界の知識』であるリアが、知らなかった筈はないと勘繰り、グレンは尋ねるのであったが…。
『……マスター、何かする事があったのでは?』
誤魔化された。
「誤魔化すな!…まあ良いや、とりあえずやる事をやろう」
何かをする為に浴室から出るグレン、因みに今現在紅蓮は、首のアイテムボックス以外、何も身に付けていなかったが、グレンは自分以外は居ない為と今から創る為に、別に良いかと思い、そのままで居た。
「さてと、まずはこれを出さないとな」
グレンはアイテムボックスのリストを表示し、とある物を取り出した。それは先程行った服屋で購入した、紺色の大きな布であった。
「じゃあ、作成するかな。リア、サポートお願い」
『了解しました』
『スキル使用 物質物錬成精製能力!』
スキルを発動すると、グレンの目の前に青色の半透明のウィンドゥが現れ、その中心に紺色の布が表示されている。
「さてリア、服を作る為にスキルを発動して表示されたけど、どうやれば良いのかな?」
『マスターの思い通りに出来ます。マスターが想像されたモノが反映されます』
リアにそう言われ、グレンは服のイメージをする。
「…そういえば、前に見た漫画で狐の戦士が着ていた武道着…あれカッコ良かったなぁ…それにしてみるか!」
グレンは記憶を頼りに、服のデザインと大きさを進めた。
「良しこれで…作成!」
グレンがウィンドゥでデザインし、作成の意思を込めると、ベッドに置かれていた紺色の布が、形を変え始めた。
一分ぐらい経過すると、紺色の布は一着の武道着に変化した。
「おおっ!!! スキルのイメージと全く同じだよ!」
出来上がった武道着を見て歓喜するグレンであった。その後、中の肌着や下着、更には茶色のブーツを作成し、次に『物質物付属能力』を行う事にした。
グレンが作成した武道着(風の衣装)は、とある漫画の盲目の狐の戦士の武道着をイメージしましたわ。感想ありましたら、ホンマにどうぞ




