28・グレンの拘り衣装 3
「…これどう見ても、錬成精製師の能力だよなぁ…リア、これって早い話が、自分で装備やアイテムを作れるって事だよね?」
『概ねマスターの考えで合っています』
「…なら、とんでもない装備も作成出来るって事か…」
とその時、グレンの眼に一軒の服屋が目に入った。
「……」
何を思ったのかグレンは、その服屋へと入っていった。
※ ※
「すみません、一人部屋空いてますか?」
数十分後、グレンの姿はとある宿屋へとあった。出迎えたのは中年の女将であった。
「はい、空いていますよ」
「では、数日お願いします」
グレンは女将に宿泊費を払うと、女将から部屋の鍵を貰って、食事の事を聞き、部屋へと向かった。
バタン…
グレンが泊まる部屋は、一人部屋の為かそれ程広くなく、正面に窓があり、壁際には一人用のベッドがあって、反対の壁際には鏡台が置かれていた。王都にあるという為か、部屋にはシャワーだけであるが浴室があり、中世風の世界にシャワーがあったという事に、グレンは驚いた。
「…ふぅー…」
部屋に着いたグレンは一息つくと、鞄をベッドの上に仰向けで倒れ込む。
『…お疲れですか? マスター』
少々疲れている様子のグレンに、リアが話しかける。
「まあね…今日一日で色んな事があったからさ…」
『…マイルスの事…ですか?』
「…うん…」
グレンは俯せになって、枕に顔を埋める。
「…好き…だったのかな…」
グレンはぽつりと呟いた。出会ってから一日程しか経っていないが、グレンの中でマイルスは、とても大きな存在になっていた。
「…琉季の時は…こんな風に感じなかったのにな…」
別の国に居る幼馴染の事を呟く。
「…まっ、今回で二度目の失恋だけど、相手は身分違いの高根の花だからしょうがないか!」
グレンは起き上がり、気持ちを切り替える事にした。
『マスター。無理しないで下さい』
心配そうにリアが言う。
「大丈夫だって! 伊達に捻くれ者やっているわけじゃないからね」
明るそうに言うグレンであったが、リアには心の内が分っていた。しかしこれ以上言っても、マスター(グレン)は否定するだろうと思い、何も言わない事にした。
「さて、さっそく創りたい物があるけど…まずはシャワーだな、一昨日の夜から入ってないし…」
そう言い、グレンは制服を脱ぎ始めた。一瞬リアの事を考えたが、リアは自身と同化状態の為、意味が無いと判断して、脱ぐのを続けた。
「!」
ワイシャツを脱いで、中のシャツを脱いだ時、壁際の鏡台の鏡に目が留まった。
「…やっぱり、猫だよなぁ…」
鏡に映っているのは、黒い体毛に細い髭、頭の上に耳がある青い瞳の黒猫だった。
この世界に来た時、スマホで自分の顔を見たが、全身を見るのは、今回が初めてであった。
「…まあ、変なのに転生(?)するよりはマシだったか…」
なるべく前向きで自分を受け入れるグレンであった。そしてズボンを脱ぎ下着姿になると、隣接する浴室へと入った。
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