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黒猫の騎士  作者: 黒猫キッド
第一部・クーデター編
28/77

28・グレンの拘り衣装 3

「…これどう見ても、錬成精製師の能力だよなぁ…リア、これって早い話が、自分で装備やアイテムを作れるって事だよね?」

『概ねマスターの考えで合っています』

「…なら、とんでもない装備も作成出来るって事か…」

とその時、グレンの眼に一軒の服屋が目に入った。

「……」

 何を思ったのかグレンは、その服屋へと入っていった。


※        ※


「すみません、一人部屋空いてますか?」

 数十分後、グレンの姿はとある宿屋へとあった。出迎えたのは中年の女将であった。

「はい、空いていますよ」

「では、数日お願いします」

 グレンは女将に宿泊費を払うと、女将から部屋の鍵を貰って、食事の事を聞き、部屋へと向かった。


 バタン…


 グレンが泊まる部屋は、一人部屋の為かそれ程広くなく、正面に窓があり、壁際には一人用のベッドがあって、反対の壁際には鏡台が置かれていた。王都にあるという為か、部屋にはシャワーだけであるが浴室があり、中世風の世界にシャワーがあったという事に、グレンは驚いた。

「…ふぅー…」

 部屋に着いたグレンは一息つくと、鞄をベッドの上に仰向けで倒れ込む。

『…お疲れですか? マスター』

 少々疲れている様子のグレンに、リアが話しかける。

「まあね…今日一日で色んな事があったからさ…」

『…マイルスの事…ですか?』

「…うん…」

 グレンは俯せになって、枕に顔を埋める。

「…好き…だったのかな…」

 グレンはぽつりと呟いた。出会ってから一日程しか経っていないが、グレンの中でマイルスは、とても大きな存在になっていた。

「…琉季の時は…こんな風に感じなかったのにな…」

 別の国に居る幼馴染の事を呟く。

「…まっ、今回で二度目の失恋だけど、相手は身分違いの高根の花だからしょうがないか!」

 グレンは起き上がり、気持ちを切り替える事にした。

『マスター。無理しないで下さい』

 心配そうにリアが言う。

「大丈夫だって! 伊達に捻くれ者やっているわけじゃないからね」

 明るそうに言うグレンであったが、リアには心の内が分っていた。しかしこれ以上言っても、マスター(グレン)は否定するだろうと思い、何も言わない事にした。

「さて、さっそく創りたい物があるけど…まずはシャワーだな、一昨日の夜から入ってないし…」

 そう言い、グレンは制服を脱ぎ始めた。一瞬リアの事を考えたが、リアは自身と同化状態の為、意味が無いと判断して、脱ぐのを続けた。

「!」

 ワイシャツを脱いで、中のシャツを脱いだ時、壁際の鏡台の鏡に目が留まった。

「…やっぱり、猫だよなぁ…」

 鏡に映っているのは、黒い体毛に細い髭、頭の上に耳がある青い瞳の黒猫だった。

 この世界に来た時、スマホで自分の顔を見たが、全身を見るのは、今回が初めてであった。

「…まあ、変なのに転生(?)するよりはマシだったか…」

 なるべく前向きで自分を受け入れるグレンであった。そしてズボンを脱ぎ下着姿になると、隣接する浴室へと入った。


PV4000超えしました! ホンマにおおきに! 感想あったらどうぞ

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