捨てられた悪役娘
「お前とは..無理だわ..さよなら..俺は、彩音と付き合うから。」
「う、嘘!婚約は!どうするつもり!」
「あぁ、それな..お前の親にはもう言ってるから..お前がこの子をいじめていた事も伝えてある。消えろ!」
私は、公開処刑のように捨てられた。
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2年後
「あら、婚約者に捨てられた..アイヴィさんがパーティに来ていらっしゃるわ!厚かましいわね!捨てられたクセに男探しかしら!」
「そうね!」
そのような、会話が聞こえる。確かに私は、捨てられるような事をしていた。今になると何が悪かったのかも分かるようになった。
しかし、それは遅すぎた。私が真に理解していなければならなかったのは“その時”であり、今ではない。しかし、私は、世継ぎを産まなければならない。もう道具でしかない。
「あらあら、“道具”が歩いてるわ!」
「ほんとに、あれでも貴族ですからね!」
そう、私は、公爵家の娘..しかし、捨てられてからは親の後ろ盾はなくなり、男爵や名誉騎士等にも貶される。
「どけよ!」
そう、いい突き飛ばされて転んでも誰も助けてはくれない。
「帰りたい..」
そう、微かに言ったのだが聴こえていたのか。
「んじゃ、帰れよ!落ちこぼれ!お前はただの道具なんだよ!」
こういうのは、慣れた。もう、泣くことも悲しくなることもない。
私の罪は、今の王妃に暴力と暴言を働いたこと。
これは、公爵家とはいえ許されることはない。それがどのような理由があろうとも。
そして、今日も苦痛も少なくなって何も感じなくなった。これが永遠と繰り返される。私の日常は..私を苦しめるだけ。
普通なら、このような日常を送ればそれだけで精神を病み自殺に走るだろうが..発狂しない様に呪いを受けている。そのせい?なのか、おかげ?なのか、未だに生きている。
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「もう、許してもいいのでは?」
「それは、無理だな..俺の好きなアイヴィは死んだよ?」
「まだ生きてます。私が妃の振りをしなくても..そろそろ、辞めないと本当にあの人との関係は壊れますよ?」
「彩音..しかし、彼女の性格は歪み過ぎた。簡単に許せば..それこそまた同じ事の繰り返しだ。」
「しかし、もう数年も苦しみました。」
「数年では、人は変わらんさ..彼女に何回も注意したのに変わらなかった。それも、10年程もだ。だから、これは、俺は10年待つ。そしたら、迎えに行く。」
「そうですか。」
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それから、さらに3年。
「まだ、探してらしてるのかしら?もう、あの人と同じ年の貴族は、全員結婚もなさり子もいると言うのに。」
「無様ですわね。」
「ほんとね。」
「..ふ〜ん。」
また、来てしまった。しかし、これは、私が道具としてなりきってないということ。しかし、ほんとにこれが私の人生なんだなと思うと..何をしているのだろう..恋愛というより、私の物と認識していたのか。元婚約者に感じていたものは完全になくなり、ただ、私が苦しんでいるのは何故だろうと思う気持ちだけだった。
「そこのお嬢さん?」
私に話し掛けているようだ。また、道具として殴られるのか..まぁ、ろくなことにはならないだろう。
「僕と少し歩きませんか?」
「はい、付いて行かさせて貰います。」
「そう、少し行こう。」
しかし、なんとイケメンな人が誘ってくれたのだろう。昔であればときめいただろう。私はもう18歳..貴族にしては、遅い。もう、私には“道具”としての価値もなくなりつつある。
その人に、付いて行くと広場に出た。
「僕と..婚約を前提に付き合って貰えませんか?」
「..よろしいのですか?」
何度このような誘いを受けただろう。その度に最初の頃は嬉しかった。しかし、本当にその発言を叶えてくれた男の人はいない。毎回、裏切られる。今回もそうなのだろう。
「いいよ?いや..して欲しい。君に一目惚れした。」
何度聞いただろう。確かに昔は、太っていた。今は、痩せたけどそれだけだ。目も死んでいる。顔も笑顔は造れずに常に無表情になってしまった。
「そうですか、なら、付き合いましょう。」
そうして、また、同じ茶番が始まった(私の中で)。
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「何時また、裏切られるのだろう。本気になったことはない。いや、あるのかな?もう分からない。辛いよ。」
そう、1人で泣いている。これも..もう、何度行っただろう。もう、これが嘘なら死のうと何度考えただろう。そう、考えると恐怖が募る。しかし、私に楽園が訪れることはないと言い聞かす。そうでなければ私は..本当に壊れてしまうだろうから。
「ねぇ、私を助けてくれる人って本当にいるのかな..」
私は、公爵家にある独房の中で1人でつぶやく..父親は、『2度と父と呼ぶな!』と言われ母親には、『あんたを産んだのがそもそもの間違いだった』と言われここに閉じ込められた。
初めの頃はすぐに出して貰えると思っていたのだがもう、5年以上もこの中だ。最初の半年は辛かった。しかし、今では誰にも脅かされない..心の拠り所となってしまった。
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「また、彼女に告白をした男がいたらしいわよ?」
「そうか、まぁ、また潰せばいいか。」
「本当にこれが最後に言わせて貰うわね?こんな事をしても誰も幸せになれない。私が受けたことなんて小言を言われてとかよ?それも、本当に礼儀作法について言われただけ。なのに、それだけでここまでするの?」
「これは、神官が神に聞いて行われている“裁き”でもある。」
「だから、私は“裁き”は、大切だろうけど1番辛いのは彼女よ?最初の1年は私もざまぁとか思ってもいたわ..けど、これはやりすぎよ!本当に彼女が他の人の者になるわよ!」
「もういい、これは、続ける。」
元婚約者(王様)と彩音(王妃)の会話。
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「君がこれ以上傷つくことはない。..僕は本当に君に婚約もして欲しいと望んでいる。」
「そう..ありがとうございます。」
私は、婚約が出来ればいい。後は、子を授かれば死んでも誰も気にはしないだろう。
「だから..信じてないね?」
「いえ、大丈夫です。私は道具として扱われても。」
「..長くなりそうだ。」
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謁見の間
「そなたが、例のホワイト・ツァールトハイト・アスタか?」
「はい..それでなんの御用でしょうか?」
「貴様!」
「よい!それでは早速だが言わせて貰おう。」
「はい。」
「アイヴィとは、諦めよ。」
「..?..どういうことですかな?」
「あれとは、私が婚約をしている。」
「それは、公の場で破棄されましたよね?」
「あれは、芝居よ..アイヴィの性格は歪み過ぎたその歪みを無くすために今は辛いだろうが仕方なくやっている。」
「..ふざけるなよ?」
「はっ?」
「..もういい..おぃ、帰るぞ?」
そういい、アスタは連れて来た1人の剣士に言った。
「はっ、それで切り抜ければよろしいので?」
「あぁ、もう、領民には伝えたか?」
「はい、全ての者が付いてくると。」
「よし、ではな?この国を俺は出る。この国の先は闇よ..その神官とやらは嫉妬でこのような事を言ったらしい。女の嫉妬とは恐ろしいものよのぉ?」
「なっ!そのようなことは!」
「知るか!お前は、我が家の..ツァールトハイトの別名を忘れたのか!」
「..“勇者の末裔“..他には..“殲滅貴族“だったか?」
「そうだ。その時の末裔という話は本当のことだ。その時の伝手で..勇者の仲間の盗賊の網にそのような情報が入った..この程度のことに踊らされるような国王に命を預けれん!この機を持って我が領地は、違う国に独立させて貰う。攻めて来るなら来い!私一人で殲滅してくれる!」
そう言うと、アスタは国を建てアイヴィを妻とし一生をかけ愛を誓い。それがアイヴィに届き。2人は幸せになったという。
その後に王は、2人が結婚をし尚且つアイヴィがアスタに完全に惚れ2人が永遠を誓うとこれまでの事を後悔していた。それを見た彩音は、やはりこうなるのかと。そして、この国をそっと出てアスタの元に帰った。そう、彩音は実はアスタがアイヴィに一目惚れし、守る為に派遣した。アイヴィ用の護衛だったがそれが不幸な結果になったことに対しアスタは、自らを傷付けた。それは、治るのに5年を費やす程に..元凶は、アスタだったということもアイヴィにアスタは伝えた。しかし、アイヴィは、「私を、本当に愛してくれたのは貴方」と言いそれを受け入れ許した。こうして、アイヴィは真実の愛を手にいれた。
かなり、自由に書いたので「ん?」と思うかも知れませんが読んで頂きありがとうございます。




