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貴族として生をうける05

今回は、視点が違います。

とても荘厳な書斎で見目麗しい女性と、とても年に見えない初老の男が重苦しい雰囲気の中いた

「はぁーどうすれば、どうすれば。あの子はどうすれば、殺す?いや、だめよ。半分はあの人の血だもの、でももう半分は、、」

ドンッ

とその音を立てのがあろう女性だとは思わないほど大きな音を立て床が蹴られた


「奥様、落ち着いてください」

「ごめんなさい。少し取り乱してしまいました。もう大丈夫です。」


(なんてことだ。10代の頃と随分と変わってしまわられて。まったく、あの男は何度迷惑をかければ気がすむのですか。このままだと、いつあの子が殺されてもおかしくはない。彼とは違った風に育てなければ。産まれてきた子供に罪はないのだから。)


「奥様、ご提案なのですがあの子供はあの男の血を引いております。なので、当家の傭兵、又は守衛として育てるのはいかがでしょう?私ももう歳でございます。いつまで元気かわかりません。」


「なるほど、いい考えね。余計な経費もかからず雇うよりは安いでしょうし、子供の時から教育すれば信頼も置けるでしょうね。そうしましょう。」


「では、明日からでも私が鍛え始めましょう。それでは、失礼致します。」


(赤子が鍛え始められるわけがないでしょうに、普通は。そこにすら気づかなくなるとはなんとお労しい。あの男はどこで何をしているのか。早くあの子だけでも連れ去って行って欲しいのですが、、、)



執事の男は、この家の主人を執務室に残し出てきた。

だか、部屋の前で待機してた。


「あぁー、クソッ!!なんで私ではなく、あの女が!あの女が!!あの女がーー!!!」

ドン!

と机が叩かれ、机の上が揺れ、ヒビが。

「忌々しい、この紋章がこれさえ無ければ!貴族でなければ、、、、今頃は、、、、、、あの子だって母親があんなだから、私から奪って行ったから!呪われた、黒目黒髪になってしまって。

でもあの子が、15くらいになればあの人の血が入った子供を授かれるのでは?そうよ!今から準備しなくては」

バサッ!

見た目の気品溢れる姿からは想像も出来ない。一瞬でドレスを脱ぎ去り、下着のみのあられもない姿になった。

そこには、紋章刻まれている。

女はそれを綺麗な爪で剥ぎ取ろとしていた。


しばらくすると手は赤く染まりきっていた。

その時


「あぁぁーーーーーーーー!!!なぜ!!なぜ!!消えない!!!」

女は狂っていた


(また、始まられた。なんてことだ。これで何度目だろうか?そろそろ止めなければ大事になりますね。また魔法で眠らせますか。)


執事の男は、扉を開け、狂人に指を向けた。

次の瞬間、先程までの居るだけでおかしくなるような空気の空間は、女の姿を除けば静寂そのものだった。


執事がお腹に手を当てると、傷が消え。綺麗な白い肌が戻った


(いつまで続くのでしょうね。私ではどうする事出来ませんでしたからね。魔法では心までは癒せない。)


執事は、メイドを呼び風呂に連れて行きそれから寝かせるように伝えた。


「私は後片付けでもしますかね。」


机を掃除していると、それが気になった。特になんてことはない。本能が訴えかけてきた。これを見ろと訴えかけてくる。


「なにか気になりますね。」


執事として、褒められた行為ではない。だが、幼き日、彼女の母の頃から使えてきた彼は痛ましい彼女の姿を見ることが無くなればと、そう思い手をかけた。


引き出しを開けると日記が入っていた。

幼き頃から、最近までのものだ。

一冊だけ明らかに他とは異なる日記があった。


日付は2年ほど前のものであった。

「2年前と言えば、出会った頃ですかね?見て見ましょう。」




7月1日

私は、ゼフに連れられた私と同い年の男が居ました。彼は、ゼフの昔の弟子で守衛として雇って欲しいという事で快諾しました。

見た目は特になんともない。普通の男です。ですが何か、気になります。何故でしょう。


7月7日

守衛となった。シンと始めて話しました。彼は東の方の大陸から来たとか。

彼と話す度に、胸が締め付けられるような気がします。病気なのでしょうか。主治医に尋ねたいと思います。


7月8日

メイドのキャサリンに先生を呼ぶことを伝え、症状も伝えると、「まるで、恋のような病ですね。奥様には、旦那様がいらっしゃるので違うでしょうが」と言われた

これが恋なの?

旦那とは幼き頃から決められた許嫁であったので、そのような事は思ったこともなかったのに

私はどうすれば、、、


7月10日

彼と話すのが、辞められない。

一瞬でも長く一緒に居たい


7月15日

旦那が遠征から帰ってきた。

求められたので応じたが、今までには思ったことのない嫌悪感が込み上げてくる

コイツとの子供なんてもう産みたくない。


8月10日

また、旦那は遠征に、これでやっとあの時間が終わる

汚されたこの身体を彼に清めて欲しい。


8月11日

彼を脅して、子作りをした

だが、忘れていた。この紋章のせいで私は孕まない。

でも、この人を私だけのものに出るのならそれだけで構わない





11月30日

彼が家の前で、ゼフと話していた。私が居るべきはずの彼の隣に、汚い雌がいる。

彼があんなに笑っている。

なにかの間違いだと思いたかった。彼女のお腹を撫でる手を


12月1日

ゼフに話を聞いた。結婚するらしく、お腹に子供がいるらしい。

おかしい、何故私ではない、何故?何故?

あの雌豚が、なにかして私の彼を誘惑したに決まってる

彼にお仕置きして、彼女を殺さなければ、、、


12月2日

彼にお仕置きしたら、来なくなった。

ゼフに聞いたら。辞めたと。

何があっても、絶対に見つけてあげる

私を試しているのでしょう?

愛の深さを



6月1日

子供が産まれたらしい、子供は彼の血が混じっているから、とりあえずは生かしておこう。

女は昨日殺した。あの人達は本当に仕事が早い。

今探してあげるは!必ず

待っててね!







日記をそっと元に戻す。

深くため息をつき

「なんて事だ。私があいつをここに連れて来なければ、、、、悔やんでいても仕方がない。罪滅ぼしとして、あの子は立派に育てなければ。あの世で大奥様に見せる顔がない」


窓の外をじっと見つめ


「シン。お前はまだ生きているのか?」

PV1000越えましたありがとうございます

ぜひブックマークの方もよろしくお願いします

次話は明後日の投稿を予定しています


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