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城にて


 ひと仕事終えて魔王城に帰ると、執事のショドーがニカっと笑って、俺を迎えた。


「さすがは魔王様でございます。勇者どもなど、ひとひねりでございますな」

「フッ。世辞など良いわ。うぬら少しだらしがないぞ。あのような異界軽民話にありそうな巫山戯た(ふざけた)勇者パーティーに、この魔王覇者の手を煩わすとは」

「はッ! 申し訳ございませぬ! 早急に魔王軍の強化をーッ!」

「ふぐぉッ!」


 ガクッ!


「魔王様ッ!」

「ほう……あの古の最強魔法兵器……この魔王覇者に片膝をつかせおるか……!」

「どうかごゆるりと、お体をおやすめくださいませ」

「いや……塔へ参るぞ、ショドー! どうやら、この魔王覇者、さらなる魔力鍛錬が必要なようよ……」

「と、塔へッ! しかし戦いのすぐあとですぞ! まずはゆっくりと、お休みくだされ! 選りすぐりのサキュバスたちも用意してございますゆえ!」

「フ……。良いのだ、ショドー。次なる戦いに備え鍛錬に励むも世界統一を成し遂げし魔王覇者の務めよ。うぬらも疲れたであろう。サキュバスどもの歓待は、今宵はうぬらが楽しむが良い」

「な、なんとお優しい! このショドー、一生の不覚! 涙で前が見えませぬぞ!」

「フワッハッハ。なに、世は魔王覇者。指名ナンバー1嬢など、いつでも指名できるわ!」


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