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童話コメディシリーズ(1)『桃太郎15の夜』

作者: KamoG

今後、いくつか昔話や童話のパロディコメディを投稿していく予定です。

その第一弾が誰もが知る、桃太郎です!


 1980年代のあるところに、お爺さんとお婆さんがいました。お爺さんはガソリンスタンドへ灯油を買いに、お婆さんはコインランドリーへ洗濯をしに行きました。お婆さんが服を洗濯機から取り出そうとすると、なぜか大きな桃が一緒に入っていました。お婆さんはびっくりしましたが、桃を持って帰ってお爺さんと一緒に食べることにしました。お爺さんは帰宅すると早速、桃を切ろうとしました。すると桃が自然に割れて、中から男の子が飛び出てきました。お爺さんとお婆さんは役所に行ってこの話をしましたが誰も信じてくれませんでした。だから二人はしぶしぶこの男の子を育てなければなりませんでした。二人は子どもに太郎と言う名前をつけました。苗字が桃田だったので、いつしか太郎は桃太郎と呼ばれるようになりました。


 桃太郎はすくすくと育ち中3になる頃には身長が180センチもありました。しかも、もともと筋肉質だったので筋トレをしなくてもガタイはかなりよいほうでした。中1の頃は自ら生徒会に立候補するほど優等生だったはずの桃太郎は、中2の夏休みを境にグレだしました。仲間たちとしゃがんでかたまり背を向けながら大人たちを睨んだりしていました。でも怖い感じの人と目が合いそうになるといつもすぐに目をそらしていました。


 ある日、桃太郎たちが見つかれば逃げ場のない校舎の裏で煙草をふかしていると、仲間の一人がやってきて昨日バイクを盗まれたといいました。盗んだのは敵対している暴走族の鬼我死魔のメンバーでした。仲間たちは絶対に復讐してやろうと意気込んでいました。鬼我死魔はカナリ喧嘩が強いことで有名なので、桃太郎は内心ビビっていました。しかし桃太郎は強がって俺に任せろと言いました。少し声が震えていました。煙草を持つ手も小刻みに震えていました。桃太郎はそれをごまかそうと小声で「武者震いがするぜ……」と言いました。その声も震えていました。


 そこで、桃太郎は同じ中学校の喧嘩が強い生徒たちに協力してもらうことにしました。それは犬山、猿川、木嶋くんでした。彼らは、協力してもらいたいなら金をよこせと桃太郎にいいました。桃太郎は、お婆さんが吉備団子を売って貯めていたお金をくすねて、一万円ずつ払いました。


 そして桃太郎たちは、鬼我死魔のメンバーたちがお酒を飲んで酔っているところに奇襲をかけるという卑怯な手を使いました。鬼我死魔たちは不意打ちをくらいバットでボコボコにされました。犬山、猿川、木嶋くんの三人は無傷だったのに、桃太郎だけは怪我をしていました。額を4針縫いました。でも桃太郎は仲間のバイクを取り返せたので満足していました。


 その夜、桃太郎は闇の中ぽつんと光る自動販売機で100円の熱い缶コーヒーを買い、その握りしめた手のひらに温もりを感じながら帰宅しました。


 めでたしめでたし。


もし、ここが笑えたって部分があれば是非フィードバックお願いします。

今後の作品にいかしていこうと思います!

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― 新着の感想 ―
[良い点] >暴走族の鬼我死魔 桃太郎の不良ネタで生まれたいいネーミングですね。 [気になる点] もっとコンパクトにすると、おばあさんから金くすねたところなど笑ポイントが際立つと思います。別の言い方…
2015/02/19 10:25 退会済み
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