神隠し
初めて書きました。暇なときに書く という、更新は不定期になりそうです。それでもかまわないという方、あたたか~く見守って頂けたら嬉しいです。
静かであった。鳥の鳴き声も風の音も何一つ聞こえない。
嵐の前の静けさというやつであろうか。
ただ草木が青々と茂っているだけである。
そこに突如として魔法陣が出現した。
魔法陣とともに現れたのはおおよそこの場には相応しくない格好をした15~16歳程度の少年であった。
「う・・。・・・・・・ん?(草のにおいがする・・)」
「・・・草?」
目を開けると目の前に草原が広がっていた。
どうやら、うつ伏せで倒れていたらしい。
起き上がると、今まで見たことのない景色が広がっていた。
後ろには森が、前は見渡す限り草原が広がっており、かなり遠くに城らしきものとそれよりも近くに町らしきものが見える。
「ど、何処だよここは!?」
☆☆☆☆☆
遡ること、数日前。教室内で。
「なあ、陽斗。噂、聞いたか?」
そう俺こと光焔陽斗に話しかけてきたのは、俺のクラスメートで中学の時からの親友、中椿和也である。こいつは、学年の中で成績が毎回5番以内に入る優等生だ。ついでに、背も高く、イケメンときた。半分俺に分けろ。ちなみに俺は、成績は平均ぎり上、背の順では毎回一番前だ。俺は低くない。周りがでかいだけだ。
「噂って?」
「神隠しだよ。知らないのか?」
「ああ。」
「私、それ知ってるよ~。」
急に話に入ってきたのは、俺の幼馴染こと橘亜子だ。家が隣同士で小さい時からずっと一緒に居たので何とも思わないが、学年でいや、学校内で1,2を争うほどかわいいのである。背は俺より1~2センチほど低く、髪はセミロング、幼顔で胸は年相応の大きさだ。ファンクラブまであるらしい。
「うちの学校の生徒が一人行方不明なんだとよ。なんでも、台風が通過する日の前日、塾からの帰りに神隠しにあったらしい。行方不明者の友達さんは途中まで一緒に帰って、曲がり角で別れてちょっと経ってから悲鳴が聞こえたんだと。友達さんは気になって、すぐUターンして戻ったらそこには誰も居なくて、ただ空から消えかかっている一本の光の筋があった、という話だ。」
「何そのファンタジーチックなものは。誘拐にあったとかじゃねえの?」
「車の音も聞こえなかったし、何より行方不明者が使っていた道は100メートルぐらい先まで曲がり角なしの一本道だったんだって~。」
「ふ~ん(まあ、俺は塾とか行ってないし関係ないかな・・)。・・・ちなみに、お前らは誰が神隠しにあったのか知っているのか?」
俺はこの時、ほんの少しの興味本位で聞いてしまった。
「私はそこまでは知らないかな~。」
「・・・ああ、知っている。」
「誰だ?俺も知っている人か?」
「そうだ。俺よりもずっと、陽斗、お前の方が知っている人だ。」
読んでいただきありがとうございます。誤字、脱字ございましたら申し訳ありません。できる限り、すぐ直させていただきます。