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05.罰ゲーム
罰ゲームは愛の告白。
「横暴だっ!!」
「なんとでも」
私が怒りと共にぶちまけたトランプを、彼は平然と拾い集めてく。
ひどい。ありえない。サイアク。こんちくしょう。
何を言っても効果がない気がして、心の中で好きなだけ文句を挙げ連ねる。
……そりゃあ、私からは、ほとんど言ったことないけどさ。
「こういうのはむりやり言わせるものじゃないと思う!」
私は言い逃れを試みる。
「むりやりにでも言わせたいから、罰ゲームなんだろ」
トントン。集めたトランプを整えて、彼は箱にしまう。
横から覗き見た表情はどこか憮然としてる。
そんなに私に好きって、言ってもらいたいの?
そんなに私の言葉がないと、不安なの?
いつも余裕なはずの彼が、今はなんだかかわいく見えて。
たまには素直になってもいいかな、と思った。