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04.食べすぎ注意
「う~、食べすぎたぁ」
口と腹を押さえて、美紀はげっそりした声でつぶやく。
気持ち悪い、と全身で語っていた。
アホだと思う。心底。
そう言ったらきっと『バカはいいけどアホはムカつく!』と意味不明な言葉が返ってくるだろう。
いや、今はそんなこと言う元気もないか。
「限度ってもんを知らねぇよな」
隆はため息をつく。
駅前に新しくできたケーキバイキングに二人は行った。
時間配分も考えずにバカスカ食べまくった結果が、これだ。
「隆と一緒なら、無茶しても平気かなって」
どういう理屈だよ。とつっこむこともできず、隆は顔を背けた。
赤くなった頬を、美紀に見られないように。