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02.君の歌
君の歌は輝いている。
キラキラと、僕の心に降り積もる。ふわふわと、僕の心を舞い上げる。
雪の結晶のように繊細で、桜の花びらのように軽やかで。
独り占めしているのがもったいないのに、僕だけに聞かせてほしいと願ってしまう。
歌が終わる。
僕が拍手を贈ると、君は恥ずかしそうに笑う。
「人に聞かせるようなものじゃないね」
君はわかっていない、君の魅力を。
「とてもきれいだ」
言葉で表せるわけもないけれど、僕は告げた。
君の分も、僕が君の歌を――君を、好きでいようと思うから。