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19.電話の向こう



 電話の向こうから君の声が聞こえる。

 心地良くて、ずっと聞いていたくなる声。


「じゃあ、また明日」


 少し寂しそうに君は言う。

 また明日、と返す僕の声も負けず劣らず沈んでる。

 名残惜しいけれど、もう充分長電話をしてしまったし、切るしかない。


「優ちゃん」

 一言、伝えたくて、僕は君の愛称を呼ぶ。


「好きだよ」


 毎日言っても、足りない思い。

 君のやさしい声が好き。君のかわいい笑顔が好き。君のきれいな心が好き。

 誰より、君が好き。


「……私も」


 小さな返事が、嬉しかった。






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