プロローグ『空を奪う者たち』
イエローと申します。
みなさん初めまして。初投稿作品となります。
宇宙の深淵を切り裂くように、黒と金の艦隊が静かに地球へ迫っていた。その艦列は鳥の輪郭を模しており、見る者に圧迫感と威厳を同時に与える。
鳥人帝国――。幾多の星々を征服してきた強大な帝国の軍勢である。
艦隊の中央、玉座の間。皇帝ゼラフィムのもとに、まず妃アレクシアが進み出る。
「ゼラフィム様。この星に眠る“王冠因子”……必ずや帝国の力へと組み込みましょう。」
柔らかく微笑むその姿は優雅だが、瞳の奥には揺るぎない野心が潜む。
続いて、皇子カイロスが力強く頷いた。
「母上の言葉の通りです、父上。 地球の封印を破れば、王冠機は我らの支配下に置けるはず。 私が先陣を務めましょう。」
その言葉を受けて、王女エリシアが少し不安げに視線を落とす。
「……兄上。ですが地球の人々は、私たちの侵攻に…耐えられるのでしょうか。 私……少し胸が痛みます。」
ゼラフィムはゆっくりと立ち上がり、娘へ穏やかな言葉を返す。
「エリシアよ、その優しさは捨てるな。 だが今は迷うときではない。我らは新たな空を求めて進むのだ。」
その瞬間、玉座の間に重い足音が響く。六つの影が皇帝の前に整列した。
六翼――帝国最強の六人。その存在だけで空気が震える。
* 《第1翼・迅雷翼》タカのハクト
* 《第2翼・氷刃翼》ワシのフロスト
* 《第3翼・猛禽翼》雷鳥のグラド
* 《第4翼・彩煌翼》孔雀のルクス
* 《第5翼・毒翼》ピトフーイのトキシン
* 《第6翼・幽闇翼》フクロウのノクス
最後のノクスが一歩進み出て、影のような声を落とす。
「……陛下。地球の封印座標はすでに脆く、 防衛網の反応も鈍いようです。 侵攻の最良の時期は――“今”でございます。」
ゼラフィムは満足げに頷き、玉座の杖を掲げた。
「アレクシア、カイロス、エリシア、 そして六翼よ―― 地球へ向かえ。 王冠機を奪い、この星の空を我らのものとせよ。」
地球に住む誰も知らない。この瞬間、静かに、確実に――運命の歯車が動き出したことを。
各種ロボットアニメや戦隊に影響を受けている感が否めませんが、
応援よろしくお願いいたします。
皆様のご意見、真摯に受け止めて行きますので感想お待ちしております。




