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主逝く 小屋に眠りし 籾まき機
親戚の農家に毎年、総出でもみまきに行った。しかし、そこの主人が亡くなってからは、まったくしなくなった。奥さん一人ではわずかな畑仕事が精一杯だそうだ。
竹の子を掘り、焚き火の釜で茹でる。子供たちは食わないが、なんとも春の味だ。
人の多いところは苦手だ。それでも、そんな光景は微笑ましい。ウクライナの人たちは、今年は麦をまけるのだろうか。
かつてヨーロッパでは、軍事衝突を避けるためチェスで勝敗を決めたこともあったという。(真偽はさだかではない。)負けた本人は命を落とすかもしれない。一人に犠牲を強いるという価値観は今の時代にはそぐわないだろう。しかし、万物の霊長と自負するならば、そのくらいの知恵を出し合うことはすべきではなかろうか。
おそらく、チェスの逸話は、米ソの代理戦争を誇張したものと思われる。実際の領土のやり取りはなかったものの、敗者が処罰さることはあったようだ。軍事衝突の代わりになったかどうかは価値観によるところだろう。
 




