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ヒーローを 信じる子供心も 勝てぬ老い
この世界を一瞬で変えてくれる存在を信じているのは子供だ。大人になると、自分は歴史の鎖のたった一つの環であり、もし一歩でも世の中を進めることができれば誇りだと悟る。
数学も、誰か一人が画期的な発見をするわけではなく、研究が何人もに受け継がれ、やがて完成することを知る。自分がもし、その一歩になっていればそれは名誉なことだ。
一代で完璧な論文を求めるなど、子供のやること。そんな簡単な問題には、見向きもしない。学者たちは、何代にも渡って引き継がれるような題材を好む。それを嘲る者は、いづれ老いてそのことを知る。
政治も同じだ。石破はよく知っている。それに比べ、今の総理は、まるでだだっこだ。ヒーローになることだけを望み、歴史の礎として埋もれることを拒む。
日本の政治家が年寄りばかりと嘆くが、それは彼らがそのことを熟知していて、急激な変化を好まない国民性の表れなのだ。そして、老人には肉体労働は無理だ。だから、経験がもっとも活かせる仕事を担ってもらう。共同社会の賢いルール。
その老人が、他人の子や孫をかわいがらなくなった。醜い年寄りだけが生き残った。




