初春や ゆらぐ音色は 恋心
視聴者がつまらないと感じるドラマの典型は、主人公に悲壮感がない。人気が出るのは、主人公がどん底まっで落ちて、這い上がってくる。
不人気の朝ドラにはそれなりのわけがある。人は、自分より幸せな人間の姿を見たくない。かといって自分より不幸な人間をあざ笑っているわけでもない。
他人の不幸に上から目線で共感しているのである。
「あるある。だから気を落とすな。」
こう心の中でつぶやくのだ。
役者に必死感がないと、単なる日常の風景でしかない。
「そんなやつはいない。」
こうつぶやきながら、応援しているのだ。
推し活に似ている。不幸な推しを自分が応援して幸せにしていく。ドラマや映画は脚本に沿って進むので、そんなことはないのだが。
ここ半月は作曲していた。1日に2曲ぐらい。1曲が1から2分と短い。曲も同じで、明るいだけでも暗いだけでもだめ。一度底に落ちて這い上がってこなければ面白くない。
曲を作って感じたのは、音の強弱よりもテンポのゆらぎが大事だということだ。通常どんな譜でも一定のテンポを持続している。しかし、演奏ではこまかくテンポをゆらしたほうが心地よい。120の場合115から125ぐらいであれば違和感がない。演奏者は、1小節ごとにこの幅でゆらす。そうすると迫力が増す。
強弱をいじると、わざとらしくなる。その点テンポを細かくゆらすほうが違和感が無い。学校の唄がつまらない、カラオケが高得点でもつまらないのは、そのためだ。ただ、生演奏ではテンポが揺らぐと揃わない。そこで、みんなイヤホンをつけてテンポをあわせる必要がある。
 




