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破壊王 後に続くは 絶望王
多くの若者は、破壊の後に自由と希望があると思っている。
戦闘アニメではお決まりのストーリーだ。しかし、現実ではありえない。破壊の後には、長い不自由と絶望が待っている。無論、それを抜ければ希望は来る。アニメでは、この不自由と絶望の期間が描かれない。
戦争を知っている世代はそのことをわかっている。震災を体験人々も理解したことだろう。
自分が破壊に加わることはためらうが、傍観者でいられれば破壊者をたきつける。破壊者が虚構の世界で暴れているうちはいい。現実になった時、彼らは初めて己の愚かさを自覚する。現実での破壊者は味方ではなく、敵だと知る。
今回のおいたの代償は小さかったが、いつ惨事になるかはわからない。年寄は警鐘を鳴らし続けるしかない。不自由と絶望がやってきた時の道しるべとして。その時にはもう、あの世で笑うことしかできないが。




