孤立する 若者どもが 夢の後
「最近の若者は非常識だ」
そう一括するのは、簡単だ。しかし、非常識は老人もいるし、中年もいる。こどもはことさらだ。
昔から非常識な行動はあった。今は非常識が表面化しているにすぎない。目立ちたいからと言われるが、本質は違う。元々人間とは非常識な行動をするものだ。それは、種としての生存率が高くなるから。
通常は排除されるかれらだが、万一の場合はかれらだけが生き残ることもある。そして人口が密集してくると、非常識でいるほうが、共倒れの危険を回避するのに都合がよくなる。
では、昔はなぜ表面化しなかったのか。それは、家族というしがらみである。家族のために非常識な言動を慎んでいただけ。どころが、都市部に出てきた若者にはこのしがらみがない。非常識にふるまっても、迷惑をかける家族がいない。
自分の味わっている理不尽を他人にも味合わせたい、この被害者意識が、抑制されずに行動に出る。さらに自分が加害者ではなく、傍観者でいられればなおさら気持ちがいい。
都市部での孤立による被害者意識によって、さらなる被害者を生み出し続ける。そのために加害者を祀り上げ、自分は安全な傍観者でいる。これこそが、現在起きている都市部での非常識行動の本質だ。




