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サギ使い 虎の威を借る 狐かな

 有名人を騙る詐欺は昔からあった。代表的なのは、骨董品詐欺だろう。有名人の名を使った贋作はいまでも多い。で、詐欺にあった人たちは有名人に文句を言っただろうか?いや、詐欺にあったのは自己責任だ。ところが最近は、有名人にクレームが行くらしい。どう考えても、筋違いだ。


 贋作された有名人は手の施しようがないので、あきらめている。


「詐欺にあいたくなければ、まっとうな店で商品を買え。」

 最もだ。怪しい店に行くのは掘り出し物があるかもと期待してだし、何かの形に仕方なく引き取ったものかもしれない。この場合も、騙される前提で商品を買っている。自己責任だ。


 今の連中は、騙される前提でありながら、騙されたら他人のせいにしている。誰かに責任を押し付けて安心する。かれらは、責任を取らない政治家を攻めることができるだろうか?


 得をしたら自分の手柄。損をしたら人のせい。こんな連中が、世論を動かす。恐ろしい限りだ。


 最後は、世間の評価ではなく、本人がその価値があると思えばそれでいい。24億盗んだやつは悪いかもしれないが、盗まれたほうは彼にそれだけの価値はあったと思っているかもしれない。しかし、訴訟しないことには、共犯と見られかねない。百年か千年の無利子のローンとかにするかもね。お金が盗まれたことではなく、嘘をつかれたことに立腹しているのだろうから。


 一方、オリジナルには問題がないのだろうか?骨董品に限らず、ビトンしてもグッチにしてもブランドを守る努力はしている。贋作に負けるようじゃ、そこまでなのだ。かつてはスターにはファンであっても簡単に会えることなどなかった。ところが今やうっかりすると街中で偶然に出会えるし、それなりのところに出かけていけば話もできたりする。手紙の返事なんて、もらえなくてあたりまえ。LINEで直接応答なんてありえない。

 オリジナル側が敷居を下げたことで、贋作が出回りやすくなっている。


 では、贋作がなくなればいいかといえば、そういうものでもない。瀬戸物は一般品があるから、名品を欲しがる人がいる。庶民に広まらなかったら価値はさがったろう。書や掛け軸は一般人が好まない。だから名品の価値も下がっている。贋作ではない安価なものが広く出回っているから、需要が発生するということもあるのだ。


 贋作がでまわることよりも、今の商売モデルがおかしい。千人のファンに全てオリジナルを買ってもらうというのは安売りだ。大半はコピー品で満足する。一割がオリジナルを欲する。供給がすくないから価値が維持できる。価値を維持するために供給を減らすのではない。そもそも需要がないのだ。

 オリジナル品を持ってなければ、ファンじゃないというような煽る商売が問題だ。


 そして、正規の店も、まがい品を扱う店があるから、価値を維持できている。なので、政府が本腰で取り締まるわけもない。まあ、政治家そのものが権力者たちの贋作のようなものだけど。

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