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都会人 田舎の楽しみ 理解せず
ドローン配送の失敗が報じられている。需要がなかったという。本質はそこではないと思う。
都会暮らしの経営者に、田舎暮らしの老人の経験が無かったからだ。かれらにとって買い物は物を勝っているだけではない。それは郵便とのようなものである。売る人がいて、核が集まり、そこでたわいもない世間話絵をする。
このささやかな非日常を奪うドローンに希望はない。モニター越しと対面は違う。
「こんなところまで、ご苦労様。」
感謝の度合いが違う。旅人を接待するのも、感謝してもらうのではなく、自分たちの感謝を表したいからだ。相手の喜ぶ顔を見たいのだ。
偽善かもしれないが、感謝を述べる機会を失われた生活は味気ないものだろう。




