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店頭のカツオ 「養殖」と吾子
最近は色々な魚が養殖されている。
「あれは、養殖の柵だな。」
沖合いにニョキニョキと生えている細い棒を不思議がる娘に話す。
さて、船から下りて、港の物産市場に行くと色々な海産物が売っている。ほとんどが地元の魚だが、中にはマグロやカツオの切り身もある。
「これ、養殖だね。」
四角く切られたカツオの身を指して、娘が言う。
「よくわかったなあ。」
「だって、柵って書いてあるもん。」
若者の中には本気で切り身で泳いでいると思っている連中もいるのだろうか。そこまではいないとしても、骨の無い魚はいると思っているかもしれない。近ごろは図鑑がブームだ。なので幼子のほうが博識なのではないだろうか。




