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骸でも 帰してくれと 母の日よ
昨今、多くの人が亡くなっている。特に遺体が戻るまでは母親や妻としてはいたたまれないだろう。
その点、男は気楽だ。そこまで思いつめることはない。多くは苦しまずに逝ってくれたならと願う程度だろう。空軍と海軍の場合は、ほぼ帰ってこないと思ったほうがいい。
作家にとって怖いのは、肉体の死ではなく言論封じによる言葉の死だ。正義だろうが悪だろうが、自分の考えが自由に発表できないことこそが恐怖である。自分の思考が正しいのか間違いなのかは誰にも決められない。ただ、世の中に受け入れられるか、拒絶されるかの二択である。
作家なら拒絶されたからといって、訂正する必要は必ずしも無いが、政治家はそうはいかない。大衆を敵に回してまでつき進めば不幸をばら撒くことになる。




