プロローグ 天使と悪魔
「う、くぅ……身体が動かないのです」
「くくくっ! ついに妾の勝利なのじゃ!」
と、言ってくるのは黒髪ツインテールの少女。
露出過多な衣装と、悪魔羽……悪魔尻尾がトレードマークな悪魔ちゃんだ。
彼女はニヤニヤしながら、言ってくる。
「天使ちゃんよ! 妾がおぬしに絶望を与えてやるのじゃ!」
「わ、わたしは負けません! あ、ぅ……でも、身体が……っ」
「これから、おぬしは悪魔界に捕虜として連れて行かれるのじゃ! そこでたっぷりと、おぬしを穢してやろう――名誉悪魔である妾が直々にな!」
「そ、そんなっ! 天使を悪魔界に連れて行くことは『ファイナルアポカリプス法』によって、禁止されているはずなのです!」
「そんなの知らないのじゃ!」
言って、悪魔ちゃんは天使ちゃんの方へと近づいて来る。
そして、彼女は天使ちゃんの髪を触って来ると、そのまま天使ちゃんへと言ってくる。
「おぬしはこれから、とっておきの拷問を受ける事になるのじゃ」
「な、なにをするつもりなのですか……っ」
「甘やかしてやろう……そして、色々な遊びをおぬしに叩き込んでやるのじゃ」
「なっ」
天使ちゃん、思わず頭が真っ白になった。
理由は簡単。
天使とは勤勉であらなければならない種族。
常に率先して働き、勉強し、遊ぶ事などしない。
故に。
「そ、そんな事をされたら……だ、堕天してしまうのです!」
「おぬしを穢すと言ったじゃろ」
と、言ってくる悪魔ちゃん。
彼女はニヤリと、天使ちゃんへと言ってくる。
「名誉天使であるおぬしが堕天すれば、天使界は大騒ぎになるのじゃ!」
「わ、わたしは負けないのです! 絶対に……堕天なんかしないのです!」
「まぁ、楽しみにしているのじゃ」
「っ」
こうして。
天使ちゃんの戦いは始まったのだった。
なろうから入ってくれた方。
商業誌から入ってくれた方。
お久しぶりの方、初めましての方。
どうもアカバコウヨウです。
今作はギャグ微百合物語です。
よろしくお願いします。