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ファウストパトローネ  作者: 喜右衛門
異世界の子供達
43/317

イナとエノの狙撃手としての才能

! 81ポイント!

今……見て、驚愕!

夜中に奇声を上げてしまった。


これは……歴代の最高点を越えれる!

と言っても全部で三作しかないのだが。

それも一作目は200ポイントと少し……まだ、たまに変動するくらいだけど、まあソレ位が限度だと思う。

初めての小説だから、文法もルールも無茶苦茶だったし。

そのうちに書き直そうとは思うけど、次々と新しいのが思い付いちゃうから……まだ先かな?


今回も一人称は完璧にとは言えないのだろうけど。

そこそこのルールはわかってきたし、勉強も出来た。

もっと巧く書ければ良いのだけれど、それは書いて覚えないと無理だろうからもっと書かなければ。

もっと皆を楽しませねばと、また改めて決意させられた。


モチベーションって凄いと思う。


みんなありがとう。

まだまだがんばる。

頑張れる。


 頭を抱えて唸りながらに踞るアン。

 必死に何かを考えて悩んでいる様だが、戦車に撃たせればいいだけなのだが……何に引っ掛かっている。

 俺達が手伝ってやるって言ってるんだから素直に頷けば良いだけだろう?

 

 その間にも敵は撃ってくる。

 列車の側面に小さな穴を増やし、まだ当たりはしていないが照明弾が近い所で爆発している。

 空け開かれたドアからは警察軍の兵士達の怒声が響き渡っている。

 彼等も混乱しているようだ。

 どうも警察軍は……それともアンか? は、敵を見くびる癖が有る。

 自身を過信しすぎているのか?

 貴族の上から目線が相手を見ると言う事を邪魔しているのかも知れないが。

 

 そこに花音達が飛び込んできた、帰ってきたのだ。

 「後ろの方で、火が着いているよ」

 すぐに俺のそばに寄り、ライターを渡してきた。

 無事に見付けられた様だ。


 それを握り込む。

 スッと頭に浮かぶ。

 「カンプピストーレかシュトゥルムピストーレ」

 大戦中の照明弾を元にした武器としての銃。

 単発式のグレネード発射機の簡易版の様なヤツだ。

 シュトゥルムの方なら成形炸薬弾が使える、それは当たれば戦車に穴が開けられる事を意味する。

 どちらにしたって狙える様なモノでも無いが、装甲自体が無い列車にはそれだけで驚異だ。

 

 「火は大きいのか?」

 花音に聞いた。


 「屋根の方が燃えてる見たい、兵隊さん達が消してたけど」

 照明弾の火薬が少し被ったか?

 

 「忙しそうだったから、黙って持ってきちゃった」

 アンに見つからないように、陰でソッと銃も渡してくる。

 ルガーp08、小次郎だ。

 『後で返しておいてくれよ』

 一応は断って背中に挟んだ。

 流石に大っぴらには握れない。


 パスパスパスと壁に穴が空き、天井からは埃が舞い落ちる。

 その角度なら当たらないとわかっていても、首が縮こまる。

 花音を引いて腕の中に押し込め。

 「もう、撃たせるぞ」

 アンに聞こえる様に叫んだ。

 

 そのアンの返事も待たずに。

 『バルタ! 撃て』


 だが。

 『無理です、撃てません』

 泣きかけの声。


 『なんで?』


 『列車とか荷物が邪魔して、照準器の中に見えません』


 奴等、戦車が有るのを理解して動いているのか?


 『適当に威嚇の積もりで進行方向の近くに撃ち込め』

 すぐに砲撃音が響く。


 俺は床を腹這いで進み、窓にし噛みついた。

 ヒビだらけのガラス越しに外を伺う。

 成る程、後方側面に付いている。

 ここからなら撃てるのだが……。

 「射程の長いライフルが欲しい所だな」

 そう言えば村の奴等が使って無かったか? 


 「撃つ相手には優先順位は有りますか?」

 背からイナとエノの声がする。

 

 突然の問に振り向けば、その二人の手にはそれぞれkar98kライフルを握っていた。

 「ついでに見付けたので持ってきちゃいました」


 「有難い、貸してくれ」

 と手を出すのだが、首を振る二人。

 

 「その手では無理なのでは?」

 

 目を落とせば手錠。

 確かにこれでは抑えが効かない。


 「私達が撃ちます」

 イナとエノが同時に頷き。

 「目標を指示してください」

 

 「それは駄目だ」

 イナとエノには明らかに体重が足りない。

 「体格が小さすぎる、撃っても銃が跳ねるだけだ」


 「そうなの?」

 軽く返事を返したイナ。

 「じゃあ、これでどうかな?」

 と、エノ。


 何がどうかなと見ていれば、二人がいきなり成長した。

 背が高くなり胸もお尻も大きくなる。

 その変化に無様に口を開け放ってしまった。


 「変化よ」

 エルが小突いて教えてくれる。


 「変化って……耳と尻尾が無くなるだけじゃあ……」


 「私にはそれくらいしか出来ないけど、二人はもう少し能力が高いのよ」

 エルが前に言ったよね? と、そんな顔で。

 聞いたか? 俺、と首を捻る。

 

 もう一度、まじまじと見てしまう。

 ミニのワンピースのセーラー服がピチピチだ。

 尻は下半分が覗いているし。

 胸はパツンパツンに押されてはみ出して来そうだ。

 そして、顔も丸みが取れて美人に成っている。


 「体を成長させただけよ」

 目が釘付けに成っている俺にエル。

 「元はイナとエノのままよ」


 「でも体重と身長はこれで問題ないでしょう?」

 イナが笑う。

 「服が窮屈だけど、そんなに派手に動かないでも大丈夫よね」

 エノがお知りの裾を下に引っ張りながらに。


 成る程、だから服を貰った時に眉間にシワを寄せていたのか。

 成長させる能力を使った時に体に合わ無さ過ぎると。


 「だが……」

 撃たせたくないのをどう伝えるかと考えていると。


 「もう適当に撃っちゃえば?」

 エルが面倒臭いと、二人に。


 「そうね撃たれているんだから、撃っても良い筈よね」

 「取り敢えずこっちを撃っている人ね、了解」

 二人はヒビの入ったガラスをライフルのストック部分、木製なので銃庄と言うべきか、で叩き割り横並びに銃を構えて間髪いれずに撃った。

 

 「あ!」

 俺の叫びに。

 

 「あ、じゃないわよ……二人にも仕事をさせなさい」

 エルが呟く。

 「バルタとかみんなはやれる事が有るのに、二人だけじゃない」

 自分達だけが見ているのは、それは辛い事だとでも言いたいのか?

 だが、わかる気もする。

 社会人の成り立ての頃の俺もそうだった。

 回りは忙しく動いているのに新人はやれる事が少なくて、無性に申し訳ない気持ちに成った物だ。


 「わかったよ」

 二人の側に寄り、銃の構え方を教えてやる。

 「重心は低く、狙いは体でその微調整は左手だ」

 一人の銃を上から掴み、ボルトアクション式のライフルのコッキングボルトを引いて次弾を送り込みながら。

 「この銃は弾数5発で一発づつ手動で送り込む」

 

 それを見ていたもう片方が同じ動作をして、構え直す。

 二人の銃声。

 

 「当たって無いじゃん」

 エルが呟く。

 

 「そんなにすぐに当てられる程、簡単じゃあ無いよ」

 と、俺の声を無視して。


 「だって、良く見えないんだもん」

 イナ。

 「遠いし……ボヤける」

 エノ。


 「じゃあ、私が見てあげようか?」

 花音が手を上げた。

 そう言えば目が良いと自慢していたな。


 しかし見てやるって、どうやってだ?


 「トラックは見える?」

 花音が窓の縁を掴み目だけを出して覗く。


 「見える」

 二人が声を合わせて。


 「その上の真ん中の右の……」

 言葉でか?

 無理だろう。


 「私が見るわ」

 エルが花音の横に来て同じようにして。

 「イメージを送るわよ」

 そう言うと俺の頭にもハッキリと映像が見え始めた。

 念話の映像版?


 「そんな事が出来るのか!」

 じゃあ、村での砲撃も花音は要らなかったのか? もしかして。


 「自分で見た映像だから送れるのよ」

 成る程。

 やはり花音は必要だったのか。


 「でも、映像と自分の目とを合わせるのが難しい」

 「うん、コツがまだわかんないね」

 撃ちながらにイナとエノが会話する。


 「当たんないね」

 「近いとこには行ってると思うんだけどね」

 数発を撃って。

 「弾が切れた」

 「どうやって込めるのかな?」

 床に弾を転がし二人して銃をガチャガチャと弄くりだす。

 撃たれて居るのに緊張感が今一感じられない二人。

 銃を撃つという恐怖は、戦車の中で経験した機関銃の掃射で既に経験住みか。

 確かにあれよりかは遥かに地味だし、大人しい。 


 一旦、映像を送るのを中断したエルが俺を見る。


 ああ、わかったよと、頷いた。

 「こうやるんだ」

 その弾と銃を取り、俺は見本を見せてやる。

 もう完全に諦めた。

 ここは異世界なのだから俺の常識の方が間違っているんだと、そういい聞かせるしかない。


 二人は再度、銃を構えた。

 「あれ? トラックが1台しかいない」

 イナか?


 「さっき、後ろに下がって行って見えなくなったの」

 エルが答える。

 

 下がる?

 この今の状況で下がるなんて、一つしか思い浮かばない。

 奴等は列車に取り付く積もりだ。

 「乗り込んで来る積もりか?」

 花音が後方に火がと言っていたが、そこからは撃てない状況なのだろう。

 それは乗り込むにも邪魔をする筈だが。


 と、後方で爆発音が響いた。

 

 「なに? 今の」

 子供達が全員が俺を見た。


 「ポテトマッシャーか!」

 奴等、手榴弾で火を上屋ごと吹き飛ばしやがった。


 「乗り込んでくるぞ!」


 モーゼルkar98k。

 

 元はGew98

 第一次大戦のドイツの主力小銃。


 それを第二次世界大戦に合わせた改良を施したモノ。

 と言っても、若干に短くしただけだが。


 元々が命中精度が高く500メートルの有効射程距離を持っていた。

 弾は7.92x57mmモーゼル弾で威力も高い騎兵銃。

 スコープを着けた狙撃銃としても使われた。


 しかし、ボルトアクション方式は少し時代遅れ感が否めないところもある。

 その頃はドイツもアメリカもソ連も半自動小銃が主力に変わりつつあった時代ではあるが、その上記性能はやはり優秀で有ったので終戦迄造り続けられた数は1400万丁以上と成っている。

 戦後もドイツ以外の広い国で使われている。

 今現在のドイツの儀仗銃でもある(式典用の銃)

 もしかするとニュース等で見掛けた事が有るかも知れない。

 そんなドイツを代表する銃。

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