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ファウストパトローネ  作者: 喜右衛門
異世界の戦争
148/317

この場所は重要拠点

300ポイントか……。

少し減ったね……うん、仕方無い

悪いのは作者だ!!


だらしない。

もう少し頑張れと言いたい。



……。

はい。

反省してます。


明日からまた頑張ります。

また明日。

応援有り難う。





 アルロン卿のタイガー1戦車の修理は中々に難しい様だ。

 一晩経ってもギアケースは外に出たままだ。

 もちろんマンセルがサボっているわけでは無い。

 それどころか孫も合わせて二人共に油まみれで徹夜に成っている。

 時間が掛かるのは、設備の無い原っぱでの修理のせいだとマンセルは溢していたが……それでもそんな場所で修理をしようとして、出来ると踏んだのはマンセル自身だ。

 最後までやり遂げてくれ。


 俺はそんな作業をジッと見ているのも既に飽きているので、湖岸に広げた一番小さいテント、ケシュアのポップアップテントにアルロン卿を招いて話を聞いていた……。

 アルロン家は侯爵だった、それも英雄王時代の侯爵家なので相当に古い。

 由緒有るってやつだ。

 俺のヴェルダンと同じだ、もっともこちらは伯爵だから位的には3つ違う。

 

 それはもう直接に尋ねた。

 おれ自身が最近に為ってのヴェルダンで、それ以前は田舎の出だと適当に嘘を着いたのだ。

 それはそんなに間違った嘘でも無いが、一番重要な転生者という所を隠しているのだ、やっぱりそれは大嘘に為るだろう。

 そして、そんな事を聞くのは、とても失礼な事だとはわかっては居たが……。

 アルロン侯爵も、なんやかやと言って俺達のテントに一晩寝たのだ……招きもしていないのに。

 だから御互い様だ。

 それにこれから先は戦友に為るのだ……多少の無礼は許しておいてくれ。

 俺もアルロン侯爵の厚かましい部分は許してやるから……だ。


 で、本題の戦争の部分だが。

 今回の作戦は国境の維持で、人員は貴族が30名……詰まりは戦車が30輌とそれに着いてくる随伴が各々で400から500人程に成るのではとの話。

 正確な数字が出ないのは随伴兵を何人にするかはその貴族の思惑次第。

 金が有れば大勢、もしくは少数精鋭にするとか……自分の持ち込んだ戦車に合わせるとか、どう考えるかは貴族の自己責任と為るらしい。

 それは詰まりは、目的は国境の維持でも……そこに至る作戦は出たとこ勝負に為る事も意味している。

 そこの所を聞くと……単純に戦車を横に並べて進軍するだけだろう? 等と簡単に答えた侯爵。

 

 その時点で俺は愛想笑いがひきつり初めて居た事だろう……自覚は無かったが、後でクロエに変な顔に為ってると指摘を受けた。


 国軍は陸軍歩兵部隊の様な感じで機械化はされていない……つまり、銃を担いで足で攻め居るのだ。

 砲兵も居るらしいので戦車を軸にして連携すれば進軍は早いだろう……と、俺が発言したらば、笑われた。

 それだと塹壕は? と、のたまう侯爵。

 戦車が有ればそれが動く塹壕に為るだろうとの考えは全く無いらしい。

 貴族軍と国軍は一応の連携……情報交換くらいはするが、作戦は別行動だと言う。

 戦車は敵の戦車を叩けばそれで仕事は終わり……後は国軍が適当に遣るだろう?

 そんな感覚だ。

 

 ほとんど殴り合いの喧嘩だ……。

 第一次世界大戦の様な感じか?

 いや、航空機が無いのだからもっと酷いかも知れない。

 元が剣と魔法の世界に戦車を持ち込んでも使い切れて居ないのだろう。

 しかし、それで戦争が成立しているのだ、敵も同じ様なものか……。

 

 その敵は、湖の向こう国境は越えているそこに終結しつつ有るとの事だ。

 兵力はフェイク・エルフ軍が主体に少しエルフ軍が雑ざって居る混合連合軍らしい。

 数は中隊規模、200人前後に成りそうだ言う。

 こちらは貴族軍だけでその位の人数だ、国軍と合わせれば大隊規模に為るだろう……それが正確な情報なら負ける事は無いだろう。

 その情報元は親衛隊らしいのだが……。

 

 俺にはどうも親衛隊は信用仕切れない処がある。

 今回は自分達の拠点の在る街が戦場に成る可能性も有りそうなので、そうおかしな事はしないとは思うが……。

 まあ……疑い始めればきりがない。

 俺は死なない立ち回りを考えよう。

  

 そして最後の疑問。

 何故にここなのだ?

 北の西の外れ、戦略的に価値の有るものが何処に在る。

 その質問の答えは簡単だった。


 この辺りの国境線近くにはダンジョンが多発するのだそうだ。

 それも新ダンジョン……アルロン侯爵の言う新ダンジョンとは、戦車や人間が供給出来るダンジョン、詰まりは俺から見れば過去の第二次世界大戦中のヨーロッパの何処かが転生されて出来るダンジョンの方だ。

 そのダンジョンは元は草原とか森で、建物が在ったとしても小屋か小さい家屋なので、一緒に現れた戦車や車輌、その他兵器を持ち去れば元の地形と区別が着かないらしい。

 唯一の判断材料は、微妙な高低差だという、それも時が立てば普通に崩れてただの坂だ。

 そしてそのダンジョンは、今のキャンプのここの南にもそれは在ったそうだ。

 俺達も、もしかすると知らずにそこを通ったのかも知れない。

 確かに大戦中の戦場なんて、何も無い所が大半だったろうが……。

 しかし見分けが着かないと為れば……成る程、今まで一度もそのダンジョンを見掛けないわけだと納得した。

 

 それらを考えればここは重要拠点でも在るわけだ。

 戦車や兵器の唯一に近い補給点なのだから。

 マンセルやドワーフ達がそれらを独自に造れる様に成るまでは、敵とで取り合いに為る。

 そして、それらを造るのはまだまだ先に為るのだそうだ。

 修理や改造は出来ても、根本的なモノは造れない……それは単純に戦車の形を表す魔方陣がわからないのが原因らしい。

 ドワーフもまた全てが魔方陣ありきのスキル持ちなのでそれも仕方無い事なのだという。

 突然に現れる転生兵器なのだからそれも道理だと納得できる。


 そのダンジョンだが、必ずこの辺りとは限らないそうだ。

 ただ、今までの傾向でここら辺に多いとそれだけだ。

 しかし……何時、何処でがわからないモノならそれでもじゅうぶんな理由に為る。

 場所も微妙だしなと頷いた。



 そこにクロエがやって来た。

 「お昼よ」

 ぶっきらぼうだが、それを告げにわざわざ足を運んだのだからそこには意味が有るのだろうと頷いてクロエに従い俺とアルロン侯爵はテントから出た。


 ノルディスクのアスガルドと言うワンポール式のでかいテントが2つ並びその間に火が焚かれて、その2つの奥ににロゴスのナバホテント……インディアンのそれの様なヤツだ、が並ぶ、俺が建てたテントはその向かいだ。

 

 「エルの様子はどうだ?」

 医者には見せられなかったが、クロエ達を信用して任せる事は出来ると信じている。

 

 「喋れる様には成ったわよ」

 俺の方は見ずにそう答えた。

 俺との会話も普通にはしてくれる様だ。

 

 「完治は近い感じか?」

 

 それには振り向いたクロエ。

 「そんなの本人次第よ」

 自分はやれる事は精一杯にやっている、そう言いたいのだろう。


 「後で……覗きに行っても大丈夫か?」

 三角のナバホテント見て。

 娘達と獣人の子供達がそれぞれ別れて入るアスガルド大テントの間のテントだ、そこにエルは寝かされていた。

 治療はコリンとクロエが交代で観ている。

 そこに時たまニーナが加わる感じだ。

 今はコリンの時間のようだ、焚き火の前には彼女だけが見えなかった。


 昼飯は魚だった。

 もちろん焚き火で丸焼きなんて原始的なものじゃあ無い。

 うちにはアリカと言う立派なシェフが居る。

 そしてその料理は相当の腕前らしい……残念ながら味音痴の俺にはそれには気付けなかったが、アルロン侯爵はえらく気に入ったようでその味は貴族様の舌も満足させるレベルのようだと初めて理解出来た。

 いや、確かに不味くは無かったのだが……言い訳としては丼飯が当たり前の俺にそれがわかる筈もないと言いたい。

 

 で、今日の昼飯の魚料理は、香草で蒸し焼きにしたブラックバス……。

 ……。

 ブラックバス?

 一瞬目を疑ったが、紛れもなくブラックバスだ。

 「これは……何処で?」

 そんなのは聞くまでも無く、湖でだろうが……聞かずには居られない。


 「ヴィーゼ捕まえて来たの」

 バルタが教えてくれた。

 そのヴィーゼ……バルタの横で、やはりかマッ裸でニコリと俺に笑って見せた。

 

 俺もそれに答えてニコリと笑う。

 異世界でバス釣りが出来ると心の中でガッツポーズだ。

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