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作者: 神名代洸

顔が痒いと思うようになったのは2日ほど経ってから。

片方のもみあげがただれていた。

それを知ったのは家族に言われたから。


それからすぐに病院に行けばよかったのだが、通院している病院に行く日だったので行けずじまい。

その翌日に行く事にした。

ただかかるのは皮膚科。

今の通院しているのも皮膚科。

同じだ。

ただ担当医が違うだけ。

そもそも顔(両耳のただれ)にできたのだってからこれ一年以上前からである。

でも原因がわからず、治らない。

何故だ?


ただね?今回できたもみあげのただれ…デコボコしてるんだよね。

まるで顔がそこにあるかのようだ。

医師に見せた時、医師も不思議がってたなぁ〜。


私は女なので気になってはいた。

顔なんだもの。


日に日に形が変わっていくその様子をカメラに収めていく。

するとどうしたって顔にしか見えないことが分かった。


「なっ、何でこんなことに…。」


思い当たる節はない。

全く身に覚えがないのだ。

気持ちが悪い事に変わりはない。

そこで一度神社に写真を持っていった。

宮司なら何かわかるかもという淡い期待からである。

しかし、霊感が全くないのかあるいはその他のは信じていないのか全くもって無反応だった。

要するにわからないという事だ。


ガッカリだ。

どうしたらいいのか…ネットで検索してみた。

すると、霊能者なる人のブログを見つけた。



怪しい…。



そう思ったよ。けどさ〜、日に日に大きくなるそれを放っておくこともできなかったので、試しに写真を焼き増しして書かれている住所に説明とともに送って見た。

数日後、返信が届いた。


「これは確かに霊の仕業ですね。しかも一体だけじゃない。何体か写り込んでいますね。」


私が見た限りでは10体ほどだが、霊能者曰く、15体はいるそう。

不気味だよ。


そこで連絡先に手紙を書いた。

お願いしたい旨と、料金はいくらになるかということ。

法外な値段なら断るつもりでいた。

しかし、霊能者からの手紙では交通費プラスαでいいという。このプラスαというのはわからないので、もっと突っ込んで教えて欲しいと書いてみた。

するとどうだろう…そんなに高くなかった。

これはもうお願いするだけだなと思い、ただ一言、【お願いします。】とだけ書いて送った。


数日後都合がついたのでこちらに来たいという。ようやくこの不気味なものから解放されると思い、喜んでいた。来たのは私とそう変わらない年代の女性だった。


「ああ、やはりそうですね〜。いますね。張り付いてるみたいですが、あなたは大丈夫ですか?」

「よく…わかりません。ですが、気になって仕方がないんです。どうにかなりますか?」

「ええ、今から除霊しますね〜。体が熱くなるかもしれませんが大丈夫ですよ。霊が抵抗する場合もありますから両手だけは縛らせてくださいね。あっ、ご家族の方も一緒にいてくださって結構ですよ。その方が何かあった時に対処しやすいですから。」


とても今から除霊をするとは思えないほど落ち着いている様子。慣れてるんだ〜。私は1人そう思っていた。


数珠を手に何やらブツブツと唱え始めた。

するとカーッと体が熱くなって来た。

始めは耐えられたが、あまりの暑さに我慢ができなくなる。

「暑い!暑い!」

「さあ!この人についてる霊たちよ、いますぐこの人の体から出て行きなさい。さもなくば…。」そう言って念仏を再開する。

私は暑さのあまりその場で暴れ始めた。

家族はその私の体を必死で捕まえる。

ギャーギャー喚く私の姿を見て家族は皆顔が真っ青だ。だけど手は離さなかった。

徐々に静かになっていく私の姿を見て家族は皆安堵したのか一瞬だけ手を緩めてしまった。その瞬間を私は見逃さなかった。暴れてその場から逃げ出そうとするも部屋からは一歩も外に出られない。まるで何か見えない壁でもあるかのようだ。

般若のような顔をした私が念仏を唱える女性の元にはっていくも近づくことはできなかった。ただし私の意思ではない。


野太い声で「止めろ〜〜!!」と私が言っている。

家族皆固まって震えている。


「さあ、早く出なさい!さもなくばさらに辛いものになりますよ!」 「どうするって?」そう言いながら自分自身の首を絞め始めた。

私の意識はその時あるが、腕だけは意識とは別のことをする。

うめき声が私の口から出るも、不気味な声も聞こえてくる。しかし除霊は行われた。

霊が勝つか霊媒師が勝つかで私は苦しいながら南無阿弥陀仏を唱えただけた。

30分ほど経った頃急に体が軽くなった。

汗びっしょりなのは霊媒師も一緒。

お祓いの料金と交通費を渡すと霊媒師は帰っていった。

その後の私はというと、もみあげの顔らしきものはすっかりと消え失せ、体の異常も治り元気に生活している。

あの霊達はなんで私についたんだろう…。

今更ながら謎である。




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