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第17話 心の中の説明は誰にしているのか


 第17話投稿。説明回みたいなやつです


 それと、日間ジャンル別ランキングで10位以内取りました!

 まぁ、最初が7位で、その後8位9位と下がっているのですが……ポイント自体は増えているんですが、他の方のポイントの方が増えてるんですよね……とりま頑張っていきます!

 ちなみに総合の方は見るだけ悲しいです


 



 「やぁやぁお疲れ様」

 「ども。無事に終わりましたよ」


 その後、宿には戻らず、先に寄るのは探索者ギルド。ギルドマスターへの今日の報告だ。


 「で、どうだった?」

 「文句無しですね。俺が護衛の役を果たすことは結局なかったですし、それどころか危うい場面もほとんどありませんでした。その唯一の場面も、結局は普通に乗り切りましたから」

 「なるほど!となると、次の勇者の担当は、もしかしたらあの子達に頼むことになるかもね。コスパ的にも体面的にもいいしね」

 「あぁ、先輩勇者が後からくる後輩勇者の面倒を見るってことですか」

 「そういうこと」


 まぁ確かにいいのかも知れないが、コスパと称して欲しくないな。いやまぁ今回は頼まれてやったが、俺にやらせるにも結局は報酬が必要だ。

 その点勇者に任せてしまえば、恐らく無償で動いてくれるだろうし、同じ勇者という点で仲間意識もできる。更に言えば、周りからも『自国の勇者が他国の勇者の面倒を見ている』『勇者は面倒見が良い』となると、相対的に評価も上がる。

 面倒見のいい勇者……戦闘力の評価はまだ先になりそうだな。


 「あぁそれと、明日からは護衛だけでなく、探索者ギルドの訓練場を借りて鍛錬もしていきますので」

 「へぇ、トウヤ君直々の鍛錬か……」

 「そんな興味の引くような事じゃないでしょ。それに第一、ギルドマスターは俺の実力を実際に見てはいないじゃないですか」

 「だからこそ興味があるんじゃないか。それに、実力は見なくてもわかる……」


 そうかねぇ。まぁ俺もギルドマスターの実力は見たことないが、強いということはステータスを見ても雰囲気からも分かる。それの逆ということだろうな。


 「あ、訓練場で思い出しましたが、昼に御門さん達と模擬戦しましたよね? 手合わせをするなら勇者の体力も考えてくださいよ。そのせいで体力を回復させるハメになったんですから」

 「あー、その件は済まないね。いや、私も勇者の実力を見たかったというか。確かに連携もなかなかのものだったし、ステータスに任せたものではない、技術も垣間見えた」


 へぇ、ギルドマスターもやはり勇者の実力を高く買っているのか。まぁ確かにそれぐらいあの10人は技術的なレベルが高かった。

 ってか、もしかして門真君達の方にも模擬戦しに行ったんじゃあるまいな? この人は自身の欲求を最優先に満たしそうだから有り得なくもない。

 反省の色も見えないし、こりゃ言っても無駄だろうな。


 「それで、ということは護衛をやめるのかい? 君の見立てでは護衛はもうしなくても問題ないんだろう?」

 「いえ、護衛も引き続きやります。戦力が無くなるとかではありませんが、心配ですから」

 「じゃあどうやって?」

 「それを今考えているんですよ」

 「どう考えても答えは見つからないと思うんだけど」


 そんなことないですよ~。影分身の術とか頑張れば覚えられそう。


 「まぁ取り敢えず明日までに方法を見つけておきます。一応目処はついているので」

 「それはそれは、とても気になるのだけど」

 「教えませんよ」

 「知ってる」


 秘密は適度に明かす。この成長力やらスキルの取得の緩さは黙っていた方がいいだろう。元から持っていたと思わせるのが一番都合がいい。



 ◆◇◆



 取り敢えず報告は終了したので、その後は宿へ帰宅。


 「お帰りなさい、トウヤさん!」

 「ただいま。席は空いてるかい?」

 「ちゃんと空けてあります(・・・・・・・)よ」


 それはどういう事だろうか? 最近はよく言われるのだが、聞いてはいない。

 案内された席でいつも通りのメニューを頼んで、夕食を摂る。


 「あ、そういえばトウヤさん。今日はなんとこの宿に、超VIPのお客さんが泊まりに来てるんですよ!」

 「へぇ~、超VIPさんね」

 「あ、信じてませんね?」


 だって探索者が泊まるような宿だもん。庶民受けはともかくとして、上流階級のお方たちが好き好むとは思えない。

 まぁ別にこの宿を悪くいうわけじゃないけどね。俺はこの宿のサービスにはそれはもう有難いと思ってるし、何よりラウラちゃんが可愛い。


 何という不純な動機。でも探索者の目当てはラウラちゃんでありそうな予感。勿論安くて待遇がいいのも一つだろうが、看板娘って大事だよなぁと分かるというか。

 どんなボロ宿でもラウラちゃんみたいな可愛い娘が居たら行くよね普通。


 話の主旨が思いっきりずれてるが結論はやはり、ラウラちゃんマジ可愛い。


 「でも本当にVIPさんなんですよ! ちょっとあまり言えないんですが、もしかしたら会うかも知れませんよ! 多分見ればわかると思います!」

 「ふぅん。じゃあ期待してよっかな」

 「ホントですからね!!」


 念入りに本当であることを言ってからラウラちゃんは接客に戻って行った。


 俺も周りの視線がそろそろ痛いのでそそくさと退散。見せつけてるわけじゃないんだ。許してくれ。

 何故か「リア充死すべき」という言葉が聞こえてきそうだ。俺もリア充の仲間入りなのかなぁと考えては、期待しすぎは良くないと頭を振る始末。


 にしても、会えば分かる人ね……。

 俺の頭にはさっきの10人が浮かぶが、いやいやと首を振る。


 ここは探索者御用達の宿だし、勇者がここに泊まるとも思えない……。


 思考は一旦隅に追いやり、俺は宿を出る。

 取り敢えず明日に備えて門真君たちについていける監視役を取得しよう。寝るのはその後だ。




 ◆◇◆




 色々とやるならば迷宮の方がいい。

 ということで現在は迷宮145層に来ている。


 やることだが、まずは自身と全く同じ姿を作る。そのためには自身の姿を把握してなきゃいけないので、光魔法の『ミラー』で擬似的な鏡を作る。


 「わおっ、俺ってこんな感じなんすね」


 顔はともかく、姿見で全身は見たことがなかったので少々新鮮。一般人には紛れ込めてないが、少なくともこの世界の人だとは思われるだろう。


 ハーフっぽいねやっぱり。


 取り敢えずこの状態の俺の姿を記憶する。[完全記憶]だからこそ細部まで記憶でき、そして、細部まで記憶しないと今回は意味が無い。


 「後は……『幻影人形(ファントムパペット)』」


 その姿を元に、1から魔法を組み上げ、姿だけなら俺と全く変わらない、自身のうつしみを作り出す。


 とは言っても、これは単なる幻影であり、質量は持たない。触れば透過するし、相手から触ることも出来ない。


 「だから、『創造土人形(クリエイト・ゴーレム)』」


 上級土魔法の『創造土人形(クリエイト・ゴーレム)』で、まずは素体を作り上げる。

 こちらも記憶を元に形を完璧に仕上げ、そこに『幻影人形(ファントムパペット)』を照らし当てる。


 すると、見た目は俺、中身はゴーレムのハイブリッドが完成した。


 「でもまだ終わりじゃあないんだよなぁ」

 『プル?』


 独り言に、服の中にいたグラが反応する。

 ということで、ついでに服の中から出るように促すと、凝り固まった身体を解すようにグラは身体を伸ばす。

 可愛い動きをするねほんと。


 「おっと、今日はグラを観察するわけじゃないっての」


 まるで育成ゲームのように、段々と行動に豊かさが増していくグラを観察したいのはやまやまだが、次に移らなくては。


 目の前に作られた、俺そっくりのゴーレム。だが現在は簡単な動作、それこそ『腕を触れ』『まっすぐ歩け』と言うぐらいの動作しか不可能だ。それも逐次命令が必須だ。


 「となると、後は人格やら思考やらを持たせればいいが……」

 『プルプル』


 大雑把な言葉はともかく、細かい言葉を理解しているのか結局わからないが、反応はしてくれたグラ。こう、未だ[擬態]を実際に使わせたことはないのだが、声帯が発達している生物に擬態させたら普通に言葉を喋りそう。

 

 それにしても、人格やら思考やらをどうやって持たせるかだよなぁ。AIみたいな感じなんだろうが、そんな知識あるわけないし、あった所でゴーレムにそんな機能を持たせるやり方もわからんし……。


 相手の思考を乗っ取る、ということなら、闇魔法の精神汚染系魔法を使えばできると思うんだよな。対象への接触が必要不可欠だが、上手く行けば誘導程度なら可能だ。

 とはいえ、難度はそれこそ"最上級魔法"に匹敵する。相手の思考を誘導するのだ。肉体への直接的な干渉は本来魔力云々の話で難しいのだが、俺の場合は前に飛鳥ちゃんの魔法を魔力で防いだ応用で楽に可能だ。

 

 ちなみにあの時魔法を防げた理由だが、『高密度である』という以外にも理由がある。

 前に言った気がしないでもないが、魔力には指紋のように個人差がある。これは本当に極微細な違いで、俺も[魔力感知]のレベルが9になるまでは全くわからなかった。

 んで、この魔力の違いが、色々と難しいことを発生させているわけでして……。


 通常、『魔力』と『魔法』は絶対に干渉し合わない。お互いがお互いを透過するのだ。

 これは、魔法が現象であるのに比べ、魔力は現象の前(なんて言うかは知らん)だからだ。この違いのせいで、2次元と3次元のように違いが生じ、干渉が不可能になっている。


 ならば何故俺は魔力で防げたのか。これは、抜け道というか裏技というかそんな感じのもので、『相手の魔法に使用されている魔力と全く同じ魔力』を使用することで、魔力でも無理やり魔法に干渉できるようにしたのだ。


 同じ同士だからこそ、魔力でも魔法に干渉できる。その極微細な差を、[魔力支配]となった現在では埋めることが可能なのだ。

 言わば、『相手の魔力と同じにした』ということだな。相手の魔力を『魔力A』、こっちの魔力を『魔力B』だとすると、こちらの魔力を『魔力A(B)』に変えたということだ。


 それに加えて、魔力を高密度にする。それはもう、念入りに念入りに。するとどうなるか、相手の魔法がこちらの魔力を誤認して、『ここには既に自分が居るから、違う場所に行こう』となる。

 その結果魔法の発動しない空白地帯が生まれ、魔法を防げるわけだ───。


 「わかったか?」

 『プルプル』


 はい、長々とした説明終了! 魔法を使えるグラに教えてみたけど、これ多分理解してないと思うな。

 まぁ理解したところで、魔力の性質を操作できなければ意味が無いのだが。コツとかわからん。勘でやってくれ。

 

 そんな風にさっきの説明の応用で、相手の体内に相手と同じ魔力を送り込み、体内で魔法を発動。闇魔法の精神汚染系を使用することで思考を擬似的に操作するのだ。


 「まぁ、ここまで説明したところで、結局ゴーレムには思考がないからどうしようもないんだが」

 『プル……』


 苦笑気味に零すと、グラも何故か残念そうに身体を縮める。結局今の説明は全て自身の知識の復習(+グラへの講義)でしかなく、ゴーレムに思考を持たせる話には繋がらないのだ。





 超VIPさんは言わずもがな。でも会うのは少し後

 

 次回投稿は明日16時です。ストックが減っては増えてを繰り返してますが、現在は10話あります

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