第20話 自分から縛りを酷くするドMプレイ
間違えて16時に投稿しようとした第20話、投稿です。どうにかストックを減らさずに済んでます
まぁ増えてもいないんですけどね
そして投稿遅れて申し訳ありません!!こちら側のネット環境の不備……だと思います!
明日はちゃんと2話投稿しますので、再三お許しを!!
「グラ。今回も俺一人でやっていいか?」
『プル』
俺が聞くと、コクリと頷くグラ。
俺達は現在、階層主前に来ていた。
一人でやるというのは、勿論のこと階層主を一人で相手するというものだ。
というのも、理由としては鍛錬の他に、グラが強すぎるというのがある。
食べた相手のパラメーターとスキルを奪う。食べれば食べるほど強くなる。更に一レベル毎のパラメーターの上昇量も高く、全魔法も使えて、奇襲からタンクもお手の物。
正直、現時点で30階層位は楽に踏破できそうな強さではある。
流石にそんなグラがいると、階層主と言えど1体ではなす術なく終わるという見解に基づき、そうした訳だ。
グラの了承を得た俺は、部屋へと足を踏み入れる。途端背後で扉が閉まるのはいつもの事。
グラには後ろで待機してもらって、白い魔力が中央に集まるのを俺は【魔眼】で確認する。
というか、【魔眼】の効果が微妙すぎて、本当に【異能】なのかと疑いたくなってくるが、今考えることじゃないな。
現れるのは『ハイコボルト』。まぁコボルトの上だな。個人的にはホブゴブリンもハイコボルトも同じぐらいだが、強さ的にはハイコボルトの方が強い模様。
まぁいつもは一発で終わるし、敵の攻撃を見ることすらなかったからな。
「今回はちゃんと打ち合えるから安心しな」
パラメーター100だと苦戦しない? なら更に低くしてみればいいんじゃない!
そんな思考から、現在の俺はパラメーターが30となっている。はっきり言って、レベル18程の階層主に挑むには不足しすぎているパラメーターだ。
無論スキルはオール封印状態。ユニークスキルも戦闘で使えるものは無い。
それだけ、俺は今回鍛錬するつもりでいるという事だ。
『コボォ!!』
幾分かコボルトより低い声で鳴き声をあげるハイコボルト。これなら小保に聞こえなくて済むとどこか場違いな思考をしていると、それを察したのかグラがやれやれとばかりに身体を揺らした。
僕のこと、そんなにわかってくれてるなんて、嬉しいです。
「馬鹿な事言ってないで、行くか!」
一瞬で思考を切り替えて、俺は駆ける。
彼我の距離はおよそ20m。獲物は当たったら骨折確定な鈍器。体長はおよそ1m90。
体格的にも武器的にも強さ的にも圧倒不利。しかし、今の俺にはそれぐらいが丁度いい。
突進した俺を見て、ハイコボルトが鈍器を構える。俺はしっかりと見据え、更に速度を上げる。【敏捷】30ならばそこまで早くはないはずなのに、今の俺は明らかに【敏捷】30の速度を超えていた。
「───ここ!」
それでも思考は戦闘に集中している。獲物の間合いをしっかりと把握した上で、当たるホントに寸前のところで急停止。鼻の先を鈍器が掠めていく。
振りかぶる動作がないことから、筋力的にも高い。だからこそ、攻撃させてからの隙をつく必要がある。
すぐに脚を動かし、まずは一太刀。
グジュッとした肉を抉る感触が剣を通して伝わってくる。すぐに引き抜いて一旦離脱すると、攻撃後の硬直から抜け出したハイコボルトの左腕による攻撃が、先程まで俺が居た場所を通り過ぎていた。
ヒヤリとしないこともないが、戦闘に集中している状態ではそんなことを感じる暇もない。
スッと下に潜り込むように移動し、股下を潜り抜ける。別に潜り抜ける必要は無いが、鍛錬としては色々な方法で、ね。
くぐり抜ける際に膝を傷つけ、起き上がりながら背中を逆袈裟斬りする。
『コ、ボォ!!』
「おぉう、驚くから変な声出すな」
まるで亡者が生者にすがっているようにすら思える低い声。
咄嗟に反転して俺の方を向いたハイコボルトは、鈍器を横に振り抜く。
「無理してみるか!!」
そう言いながら、重量級武器を正面からガードに行く俺。行き過ぎた行為は死にそうではあるが、最悪グラに助けを求めようという甘い考えからという。
まぁ、剣を盾にしてれば勢いよく吹っ飛ぶだけだろうと思いつつ、俺は極限まで衝撃を殺すために意識を研ぎ澄ませる。
「ありゃ?」
俺はそこで、少し間抜けな声を出してしまった。
なぜなら、多少はよろめく覚悟で受けたハイコボルトの攻撃を、完全に受け流せてしまったのだ。
相手は鈍器。剣ならまだしも、面で攻撃してくる鈍器だ。それを完全に受け流せたのは自分でも驚きだった。
しかもそれはまぐれではない。体が覚えているのだ。やろうと思えば何度でもできる。
いつの間にこんなに技量が上がったのか。そもそも俺がまともに剣を合わせたことがあるのはグレイさんぐらいのものであり、ここの魔物の[剣術]はお粗末にも良いとはいえないため、戦闘技術以外、つまり純粋な剣術はうまくなって無いと思っていたのだが。
そんな思考すら、俺は一瞬でしていた。
ここも、スキルの無い今なら普通は驚くことだが、自身の技量に対する驚きが強すぎて、この時はそちらに考えが及ばなかった。
ともかく、一瞬の驚愕も高速化された思考の中で強制的に終わりにし、すぐさま力を失った鈍器を弾き返して攻撃。
あちらも呆気に取られていたようで、完全な無防備状態だった。攻撃を当てるのもおよそ簡単で、俺の放った斬撃はハイコボルトの腹を抉っていく。
「ッ!!」
更に手首の返しで剣を翻し、再度の攻撃。何気に有効で、同じ場所に二回も斬撃を当てられるから致命傷になりやすいのだ。
だがやはりパラメーターが低くなっているのがあるのか、予想より浅く留まった。そこで俺は、ようやく動き出したハイコボルトの噛みつき攻撃を回避。
ハイコボルトが噛みつき攻撃の勢いのまま俺とすれ違う。その口を見て何となく『噛まれたら病気になりそうだ』何てことを思いながらも、俺の手は機械のように動き、すれ違いざまにハイコボルトの腕を傷つける。
「チッ、以外にしぶとい」
それでも骨を断ち切るには至らず、腕は健在のままだった。別に支障はないが、あまり攻撃が効いていないのでは? と思ってしまうのも無理のない事だと思いたい。
一瞬だけ背中を向け合う形になるが、俺は即座に振り返り、相手が振り向くより前にまたしても背中に傷口を作る。
まるで十字のようになった背中の傷。『カッコイイな』というアホな考えが一瞬脳裏を過ぎるが、頭を振って消し飛ばす。
ここまで来てようやくハイコボルトの動きが鈍ってくる。流石は魔物、まるで傷を感じさせない動きだったが、それもここまでだな
『コボボ!!』
「新しい鳴き声をどうも!」
まるで溺れているかのような鳴き声を出すハイコボルトは、今までと同じように鈍器を振り抜く。しかしそれは先程よりも弱々しく、やはり腕に付けた傷が効いている模様。
そんな鈍器の攻撃よりも一足先に、俺の剣がハイコボルトの持ち手に届く。
交錯は一瞬。ザシュ! と爽快な音が鳴ったと思うと、次いでハイコボルトが武器を落とす。
切り落とすまでには至らなかったが、どうやら手に力が入らない程度には傷をつけられたらしい。
「さぁ、得物が無くなったがどうする?」
『コボォ……』
まるで絶望しているかのような、悲壮感漂う声を上げるハイコボルト。そんなに武器を落としたことが残念だったのかね。
とは言え、攻撃する意志はあるらしく、左腕による薙ぎ払いを、俺は屈んで回避。
そして高速で脚を、膝を、二度切り付ける。感触からして骨に届いたはず。
その証拠に、とうとうハイコボルトが脚を抑えて蹲る。それは無防備極まりなく、そして俺も慈悲はなかった。
最後の一撃だと確信して、俺はハイコボルトの首に全力で剣を入れた。
首の最も柔らかいであろう部分に当てられた剣は、多少の抵抗を得ながらも、ハイコボルトの首を落とすことに成功した。
……っと、魔力に還る前にすかさず『無限収納』に収納。魔物の死体はグラにあげたいところだからな。
ちなみに無限収納で回収しても、宝箱はちゃんと出るようで、今回も普通に出現しましたとさ。
「ほれ、グラ」
『プルプル!』
無限収納から再度出現させてやれば、グラは食いつく。こいつ絶対食欲やばいよな。暴食なだけある。というか、満腹とかの概念があるのだろうか。
一瞬で消化されていくハイコボルトを見て、常に空腹なのでは? と思った次第だ。
「とと、宝箱見てきますかね」
グラの観察はこのぐらいにして、俺は宝箱を開ける。10階層だし大して期待はしていないが。
だから、多少良いものが出たらいいなぐらいで開けたのだが……。
「お、お前は!?」
そんな気持ちで開けていた俺にとって、宝箱の中にあるものは意外な程に、そして嬉しいものだった。
「『オリハルコン』……生きていたのか!!」
若干セリフがズレているが、それは俺の喜びを表現したものだと思ってくれ。
ともかく、宝箱の中に入っていたのはあの時[錬金術]で失敗して黒ずんだゴミになった、伝説級の鉱石、オリハルコンであった。
刀哉が強すぎるなら力を制限しちゃえってね
まぁ力を制限しても主人公最強であることはご愛嬌なんですが
明日は取り敢えず普通に戻って16時の投稿となります。様子見ですね




