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イジメられっ子

作者: 高橋勇樹

4月12日

上履きに画鋲が入れられていた。

知らずに履いて足の裏に画鋲が刺さった。


5月23日

どうやらボクはイジメのターゲットになったらしい。

毎日ボコられている…正直つらい…


6月9日

イジメは続いている。

巻き添えを恐れているのだろう、誰も助けてはくれない。

直接的に関わっているのはA君、B君Cちゃん、D君だが

他のみんなは見て見ぬふり

みんな共犯者じゃないのか?


7月20日

夏休みだからと言っても油断はできない

ゆうべは早速深夜に呼び出された

行かなきゃ良いだろって?呼び出しに応じなければもっとヒドイ事をされてしまう


8月30日

相変わらずイジメは止まらない

先生も知っているはずなのに、ボクが話しかけようとするとあからさまに避けられる


9月15日

そろそろ限界だ…酷すぎる…

奴らもよく飽きもせずにイジメ続けるものだ


10月6日

教科書はズタズタになり、机は落書きだらけ

誰も注意しないので奴らもやりたい放題だ

正直死んでしまいたいとも思うが、あんな奴らに殺されてたまるか!


11月22日

イジメはますますエスカレートしている

金をせびられたり大怪我をしていないのは不幸中の幸いだが

相変わらず学校側は何も対応してくれない…


12月12日

そろそろ冬休みになる…地獄の冬休みだ

これをしのぎきればあと少しの辛抱だ

3月には卒業だ!卒業すれば解放されるんだ!


1月20日

イジメに加担しているメンバーは相変わらずだ

あの4人にはきっとバチがあたるはずと信じて今日も耐える


2月25日

あと少し!あと少しの辛抱だ!

誰も頼りにできないのは本当に辛いが…

きっと見返してやる!


3月7日

ついに卒業式が終わった

長かったイジメの日々も無事に終了

何度も挫けそうになったが耐え抜いた!


一年間イジメられっ子を担当したボクは、今後政府からの援助を受けられる

そう、ボクは望んでイジメられていたんだ


相次ぐイジメ問題に手を焼いた政府はイジメを無くすのではなくイジメを管理することにしたんだ

学校だけではなく、社会に出てもイジメは無くならない

恐らくは人間の持つ負の特性なのだろう


だから政府はイジメられる役を任命し高額の報酬を与える事にした

それによりイジメのターゲットを限定し被害を最小限に食い止めるんだ

ボクは立派に役目を果たしたというわけだ

成功報酬としてまとまった収入も得られる上に進学や就職も優遇してくれる

確かにとても辛かったがこれからは安泰だ、勝ち組確定だ


イジメを実行していた中心メンバーはブラックリストに名前を連ねる事になる

今後の人生のあらゆる場面でマイナスの評価やペナルティの対象となる

そう負け組確定なんだ


ざまぁみろ!そして、ありがとう!

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― 新着の感想 ―
[一言] なかなか面白い発想。 この後、虐めていた側にそれぞれ密着取材が付き、ブラックリストに載った人間にどれだけ悲惨な未来が訪れるかを撮影してテレビで放映。 ブラックリストに載った者、様々な場所で…
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