飛頭蛮、口説かれる①
私が所属する部署は第28部署、少数精鋭で切り盛りする大事な部署。そして、第28部署はアイディアを出したり、会社の運営に関わるお金の管理もしています。
そして、今日の朝。
28部署の全員が揃っている時に、私の大事な恩人である、いぬがみ様が、なんとなんと、お出でになさったのです。突然の事に椅子から勢いよく立ち上がってしまい、デスクに置いていた薄○鬼の沖田様の1/18フィギュアをうっかり落としそうになりました。危うく私の本命が傷付くところだった。
「みんな、聞いてくれ」
いぬがみ様の声に全員が素早く、いぬがみ様の元へと動きます。もちろん、私が一番に動きましたよ。それから、いぬがみ様が全員に伝えられた事は
「うちの会社は明後日から観光業を始めることになった」
そこから詳しく説明すると、どうやら、いぬがみコーポレーションは電化製品を売りつつ、観光業もやる事になったらしい。そして、観光業の窓口の仕事を28部署がやってくれないかという内容。
観光業の窓口は、お客様が行きたいプランを確認したり、宿泊先を手配したりと、簡単に言えば人間界のお仕事である旅行代理店みたいなものかな。
「頼めるか」
当たり前ですよ!いぬがみ様の言葉に28部署の全員は頷きます。そして、いぬがみ様は、たくさんの資料を机の上に置きました。その資料は、旅行プランが1枚の紙に1つずつ詳しく書いてありました。例えは、京都プランは幾つかのパワースポットを巡り、次は神社巡り、その次は京都の美味しい料理店でお昼ご飯という設定。聞いただけで、とても行きたくなるようなプランですね。
「他に案があるなら言ってくれ」
「はい!はい!」
「ん?なんだ?」
私は、自分のデスクに置いてあった桜蘭高校ホス◯部の漫画を持って提案しました。
「アニメプランというのはどうでしょうか?」
「アニメ?」
「今や海外では日本のアニメを見て、日本語を勉強したり興味を持って日本に来る妖怪が増えています」
「確か、飛頭蛮も同じ理由で来たんだよな」
「はい。そして、アニメプランの内容は、聖地巡礼です」
「聖地巡礼ってなんだ?」
「アニメになった実際にある土地を観光する事です」
私の提案に、いぬがみ様はしばらく考え込みました。そして、晴れた顔でOKサインを出してくれましたよ。うわー!いぬがみ様のお役に立てたかな?
「よし、この中にアニメプランって言うのも加えてみる。この話はまた後日にする。今日はありがとな」
いぬがみ様は素早くドアの方に向かい、去ってしまいました。
よーし。今日も一日、頑張るぞ!
飛頭蛮の本命は薄◯鬼の沖田さんでしたね
アニメが好きなので、本命は2次元ですよ




