鬼さんの観察日記④
これはまだ、八幡荘の203号室に
クーラーがなかった頃
とある夏の夜10時くらいのこと
我が家のクーラーは、鬼さんの妖気によって壊れてしまった。だから、今はクーラーなしで生活中、扇風機を使えばいいじゃんとか思ったけど、よく考えてみたら、部屋には扇風機は無い。無いったら無い。
そんなこんなで、今は窓を開けて暑さをしのいだり、水まくらを使って夜寝たりしています。これが今の現状。
で、一応、蚊が入ってこないように網戸をして窓を開けているんだけど。
ブーン、ブーン、
どこからか、蚊が入って来てしまった。そして最悪なことに、私が寝ている間に脚や手に蚊に刺された痕跡が残っているの。そりぁ、痒いよ。それに、蚊の飛ぶ音で目は覚めるし暑さで寝れないし。あーもう、鬼さんがクーラーを壊すからいけないんだ!
それで、話に戻すと部屋に蚊が入って来るから、その対策として蚊取り線香を焚いたの。あの緑色で渦巻きのあれね。
そしたらなんと!なんと、なんと!いつの間にか蚊取り線香の火が付いている部分だけがポキッと折れていたの。長年使っていなかったから、折れやすくなっていなのかなとか思いつつ、もう一度、蚊取り線香を焚きました。
すると、鬼さんが蚊取り線香に近づいて、火が付いている部分を素手で軽く折ってしまいました。
「この匂い嫌いなんだよね」
犯人は鬼さんか!確かに、蚊取り線香の匂いは独特だよ。でもさ、折る事はないでしょ。それからというと、私が蚊取り線香を焚いては鬼さんが素手で折るの繰り返し、最終的には蚊取り線香がなくなってしまった。
はぁ、今度からは匂いが無い蚊取り線香を探さないといけないな。でも、何で鬼さんの好き嫌いで蚊取り線香ごときに悩まないといけないの!
まったく困った奴だ。
あっ、気付いたらこんなにも長くなっちゃった。本当は鬼さんは蚊取り線香の匂いが嫌いっていう事だけを書こうとしたのに、つい私の不満まで書いてしまった。
まぁいっか