アンフィスバエナの旅行計画
203号室の人外さんのお話
32・ドラゴンライダー
に出て来たアンフィスバエナ
が日本に来る前のお話です。
とあるローマの山上にて
洞窟の中でひっそりと寝ていた金色の目で身体が黄緑色のアンフィスバエナは、入り口から聞こえた重い足音で目を覚ました。
「誰だ?」
「俺だよ俺」
「オレオレ詐欺みたいに言うなよ。ブラックドラゴン」
名を呼ばれたのは目は燃えるような真っ赤で、漆黒の身体を持ったブラックドラゴン。そして、ブラックドラゴンはアンフィスバエナに1枚のチラシを見せつける。
「なんだ、これは?」
アンフィスバエナが受け取ったのは、いぬがみコーポレーションという妖怪界では誰もが知る日本の有名企業が企画した新しい旅行企画のパンフレットだった
『夏だよ!サマーだよ!さぁ、君も日本に遊びに行こうよ』と英語でデカデカと印刷されていた。
「日本に観光しねぇかって話」
「観光ねぇ…」
「北海道プランとか九州プランとか色々あるぞ」
ブラックドラゴンは嬉々として話す。
「前から日本には興味あったし、行ってやらんこともないぞ」
「えっ、マジで。一緒に行ってくれるの」
「楽しそうだからな」
「だったら、ホワイトドラゴンも仲間に誘おうぜ」
「あぁ、度は大勢の方が楽しいからな」
こうして、ブラックドラゴンとアンフィスバエナはホワイトドラゴンを誘いに大空へと飛び立って行きました。