人面魚、海へ行く①
203号室の皆さんに投稿していた
「学校に住む人面魚」のお話を
読まないと難しいお話です
登場人物?いや、登場魚は
語尾に『〜』が付く鯉、鯉子
普通の話し方をする鯉、鯉未 の2匹
「人面魚、海へ行く」編のお話は
前3話の予定です
人間の世界では今、夏休みと呼ばれる時期に紅坂高校の池にいる人面魚の鯉子と鯉未は海に行こうと計画を立てていた。
「まずは、この池にある抜け道を通って、川に出ましょう。そうしたら、秋田県の方角に向かってただひたすらに泳ぐのよ」
「海に行く前に秋田に寄っていくのね」
鯉子は頬を赤らめながら、抜け道となる穴を見つめた。
「そうと決まれば、善は急げよ」
「了解〜」
まず最初に、鯉子がするすると、抜け道の穴へと入って行った。そして次は鯉未が穴にはいる番だが。
「ふんっ!」
「どうしたの〜?」
どうやら、抜け道の穴と鯉未の体の大きさが合わないようで、中々入らない。
「入れ、入れ」
「鯉未、太った〜?」
「違う、それは絶対に違うから」
否定しても体は正直で、抜け道の穴に鯉未の大きな体に付いている肉が邪魔をして行けないのだ。一先ず、入り口から離れると中から鯉子が現れた。
「私が、後ろから押すね〜。そうしたら鯉未は、この穴を通ることが出来るでしょう〜」
「お願いするわ」
こうして、約1時間が経ち、やっと2匹は抜け道の穴を通る事が出来たのだった。そして、穴を抜けると綺麗な川に出た。
「ふぅ〜川に到着〜」
「痩せないと」
「鯉未は今のままが可愛いよ〜」
「聞いていたの⁉︎」
「聞こえたからね〜」
こんなやり取りをしながら、鯉子と鯉未は秋田県のある方角に向かって泳いで行ったのだった。