私が転生する話、または赤ん坊 パート②
少し説明入ります。
次回はガッツリ説明入ります、多分。
私が覚醒してから数ヶ月。
首が据わり、早くも座れるようになった。
そして今は立ち上がる練習である。
椅子を掴んで、よっこいしょ、と。
うわぁ、転けた。
背中を打ち付け、「んぎゃあー」と泣く。
号泣じゃないし、軽く泣いただけなのにお母さんが駆け寄ってきた。
「大丈夫!?キリヤ!」
「まー」
まだちゃんと喋れないので、大丈夫、というように笑って声を出した。
それを見たお母さんは嬉しそうにニッコリと笑い、私を抱き上げる。
「キリヤは賢いわね。そろそろお昼ご飯にしましょうか」
お母さんは私を抱いたまま家の外に出る。
そうそう、お母さんの名前はリリア。
お父さんの名前はレイド。
平民だから苗字はない。
私の名前は私達が住む国では少し珍しい名前だ。
どうやらお母さんの方が東国(多分日本みたいな国)のハーフらしく、キリヤというのは御先祖様からとったそうな。
まぁ、前世と同じで楽だからいいんだけど。
家の裏にはお父さんの工房がある。
お父さんは鍛冶師兼樵なので、今は鍛冶師のお仕事中だろう。
樵なので、私達の家は森の中にある。
私達が属する村は少し離れた場所にあり、偶にお父さんが作った物を売りに村まで出て行く。
村の人はみんな穏やかで優しく迎えてくれる。
どうやらお母さんは余所から来た人のようで、みんな色々世話を焼いてくれる。
家の裏に行くと、お父さんが工房で何かを作っていた。
「あなた、そろそろお昼ご飯にしましょう。キリヤが待ってるわ」
…いや、あんまり待ってないけど。
お母さんが声を掛けると、お父さんが振り返った。
お父さんはとても寡黙な人で、必要最低限の会話しかしない。
けど、家族のことをとても大切に想っている。
お父さんは肩に掛けたタオルで汗を拭い、立ち上がってこちらに来た。
お母さんによって私はお父さんに預けられる。
「…」
「ぱー」
「…なんだ」
「れー、なー?」
あれは何?と聞きたいんだが、やっぱり上手く話せない。
「…あれはフライパンだ」
…なるほど、そうですか。
こんなふうに、お父さんは私の言いたいことが分かるらしく、珍しく会話が成り立つ。
お母さんもニュアンスで分かるようなので、一応会話は成り立つのだが、お父さんは的確に答えをくれるので、一緒にいて楽しいのだ。
私はそのままお父さんに抱っこされたまま、家に入ってお昼ご飯を食べた。
さて、ここで私の住む国について簡潔に説明しよう。
人間の国で、王政を行っている!
はい、終了。
え?簡潔過ぎる?
…仕方ないなー。
名前はアルテルリア王国、現在の王様はこの間王妃様を迎え、王妃様は懐妊中だとか。
魔法のある世界なので、当然魔法がある。
魔術師養成学校があるが、多分私には関係ない。
平民は相当強い力を持たないと学校には入れないから。
で、皆さんご推察の通り、人間以外にもこの世界には存在する。
獣人、エルフ、龍、ドラゴン、etc.…
まぁ、所謂ファンタジーな世界なのだ。
多分会うことは…あれ?私が助ける人って人間じゃない?…なら会ったりするかな?
それぞれ自分たちの国を持ち、交流は少しだけ。
人間は数が多く、人間の国はアルテルリア王国の他に4つあるが、私には関係ない!
…多分。
こんな感じ、かな?
詳しくは知らないけど、絵本読んだ時にそれっぽいことが書いてあったから多分そう。
あー、なんか今いろんなフラグ立てた気がする…
…そういえば、私は誰に説明していたんだろうか?
世界観は中世ヨーロッパくらいだと思ってください。
ただ、中世ヨーロッパよりは綺麗です!