私が見つける話
サブタイトルが長くなってきて疲れたので短くなりました。
…接続詞って何がありますか?
ぐったりした男は、意識がなかった。
近寄って額に触れると、高い熱が出ていた。
「おい、スーウ。勝手に触るな」
「ミゼン、この人熱出てるけど」
「…分かっている。こいつは俺が暗殺先から連れてきたんだ。主がこいつにご執心でな」
「この人に?…魔力が強いのかな?」
首には服従の首輪がはまり、腕には魔力封じの腕輪がはまっている。
うん?この人…
「…あー!!」
「…どうした?」
「…いや、うん。何でもない」
この人、私が助ける人だ!
見て分かる。
確かに、神様(笑)の言ってた通りだ。
この人魂が輝いてるし、こう…引き寄せられるものがある。
「…こいつの世話は俺たちがすることになってる」
「じゃあ私やる!」
「す、スーウ!この人知らない人だし…」
「スーフォ、私も知らない人だけど」
「そ、それはスーウだし…」
「大丈夫!だってこの人も服従の首輪つけてるし、魔力封じの腕輪も付けてるし!」
私がにこやかに答えると、スーフォは困り果てた顔になった。
「大丈夫、料理も掃除もサボらないし、みんなの迷惑にはならないよー」
「…スーフォはそういうことを言ってるんじゃねぇ。スーウが、し、心配なんだよ!」
「…ディス…やっぱり優しいよね!スーフォ、ありがとう!あのね、だから、みんなには手伝ってほしいんだ。…それじゃダメかな?」
「うん!スーウのこと手伝うよ!」
ディスは真っ赤になって怒鳴ろうとしたが、私に遮られ、しかもスーフォにも遮られた。
…ああ、ディス可愛いな。
「…スーウ、それでいいのか」
「うん。その人は食堂に連れてってほしい。よろしく、ミゼン」
「…」
ミゼンは呆れて溜め息を吐き、男の人を担ぎ上げて部屋を出て行った。
私とスーフォたちはその後を追い、食堂に入る。
「…どこに寝かせる」
「うーん…ちょっと待って」
調理場から木箱を持ってきて、子供部屋から布を持ってくる。
木箱を並べ、人が充分に寝られる場所を作り布で覆い、石で動かないように固定した。
ミゼンにそこに寝かせて貰い、私は水を入れた袋を男の人の額に乗せる。
スーフォたちは男の人を恐る恐る見ていた。
「よし。うーん、掛け布団…あ、私の持ってこよう」
「じゃあ俺のも…」
「ボクも!」
スーフォたちと連れだって子供部屋から掛け布団を持ってきて男の人に掛けた。
「うん。とりあえずこれでよし。じゃあみんな晩ご飯にしよう!」
「おー!」
名前分かんないし、当分起きないだろうから。
先に晩ご飯にしますよー。
この半年の間、組織の基地をこれでもかと改造した。
実はこの基地、山奥の中の山奥にあり、洞窟の地下に存在していた。
ミゼンたち大人にここはどこの国か聞いたが、分からないという。
鍛錬は朝食後の午前7時から始まり、午後は1時から始まる。
晩ご飯の後はやりません。
鍛錬は洞窟の外でやってるのだが、当然森なので街灯なんてない。
私たちの実力ならそう負けることはないけど、魔族とか来たら勝てるわけないし。
この基地、一応魔物避けと人避けの結界が張られているんだが、上位魔族とかに効くわけがない。
しかも、この組織の中に魔術の才能があるのは3人。だけどほとんど使えない。
服従の首輪に魔術封じも加味されてるから。
鍛錬はミゼン、ウーノ、ズィオ、トレイス、アルバが指導役で、それ以外が生徒役。
上記の5人は他のメンバーよりも早くこの組織にいるため、桁違いに強い。
…私はいっつもミゼンの相手をさせられる。
むー、もう少しで勝てる気がするんだけどなぁ…
鍛錬は交代なので、私は暇になる度に誰か1人伴って大改造に精を出した。
お陰で人が住むのに十分な綺麗さになった。
何故か黒ずんでいた壁は外の森から取った薬草で白…まではいかないけど、灰色までには戻した。
調理場は完全に私の独壇場だ。
スーフォ以外は野菜の在処すら分からない。
お手洗いとお風呂も綺麗になった。
お手洗いとお風呂の掃除は交代制。
だって使うのは私だけじゃないし。
…最初、大人と子供をごちゃ混ぜに組んだらスーフォに泣きつかれたので別々になった。
道のりは長いなぁ。
…で、結局何が言いたいのかというと。
私はこの組織の影の実権を握ったということと、
食堂も綺麗になったから、男の人を寝かせる場所として最適だということだ。
ウーノはイタリア語で1、
ズィオはギリシャ語で2、
トレイスはポルトガル語で3です。
相変わらず統一感がない?
知ってます(笑)!




