人材集め、副官&拠点探し
帰ってきて見てみたら、予約投稿が出来ていませんでした。
明日も一応投稿する予定です。
クリスティが人材集めをする際、どういった人員を集めるのかを計画を立ててパトリックへと書類を提出し、許可をもらった。
内訳はこうである。
軽騎兵200名、これが主力部隊となる予定だ。
歩兵100名、騎兵のの周囲に配置する兵で、基本長槍を装備している。
魔導兵25名、さらにその半数は医療班を作っている。
残りの75名は輜重兵で兵站部門、後方支援をする事となっている。
そしてクリスティが保有する独自戦力、諜報組織【鴉の木】から選りすぐりの斥侯を60名で、クリスティの部隊は完成する、予定となっている。
もちろん【鴉の木】についてはパトリックにも報告していて、前例はないものの一時的な貸し出しをパトリックにすることで許可を得られた。
クリスティはイェーガーに王国全土のギルドに依頼という名の志願募集の紙を貼らせていた。
『力を求む強者、国を守りたいという者は、魔導騎士クリスティ・ツヴァイ・リンデンバーグの元へと参集しなさい。
適性次第で強くしてあげるから』
渡された紙を読んだ時、イェーガーはクリスティにもう少しマシな文言はなかったのかと問うたが、『シンプルイズベストよ』と返した。
適性次第というのはクリスティが行ったあの非道な実験ではなく、純粋な訓練による強化だ。
もちろん志願するのならあの実験を行うが、一定の成功率を確立している以上失敗はないが。
そして続々と王都に志願者が参集する中、クリスティは王都にある冒険者ギルドへと赴いていた。
「ジョナ、来たわよ。
もう引き継ぎ終えているのでしょう?」
「クリスティ、遅いわよ!!」
小麦色の肌をした大人の色香漂う美女―――ジョナは待っていたとばかりにクリスティに駆け寄って抱きしめた。
同性同士という事もあるが、クリスティが抱きしめられても何も言わないのはジョナだけである。
先ほどまで後輩たちや常連の冒険者たちに泣き付かれていたジョナはクリスティがきたのを見ると抱きしめた後に背後に回ったのである。
体の良い盾役であったが、ジョナはクリスティが原因なのだからこうするのも当然と考えており、勧誘したクリスティも別段その事を否定するつもりはない。
ジョナの冒険者としての実力は銀の7と中堅所に位置している。
主に斥候として活躍していた彼女には、探索系のスキルや危機感知などのスキルで満載であり、更にはこれまでの経験で生き残るという技術において他の冒険者を圧倒するものがあった。
そしてそれは、クリスティが近い将来得るだろう部下たちに最も学ばせたい技術であった。
錬度よりも優先して、生き残る兵士を作る。
時間をかければ最低でもソコソコ使える兵士を作り上げるため、彼女はすでに計画を立てようとしていたのであった。
「…あら、でも時計だと時間5分前だけど?」
「10分前に来るのが基本でしょ!?
もっというなら、30分前に来て欲しかったわ!!」
30分前といえばクリスティが宿屋から出て露天に目を通していたので無理だろうが、ジョナが言うには引継ぎを終えてからクリスティが来るまで、ずっと引き止めに遭っていたのだ。
「良かったじゃないジョナ、モテモテよ?
良い男は…ふん、私が見たところいなさそうね、良い男は魔導騎士団で探しなさい。
職務に支障が出ない限り、自由恋愛してもらっても構わないわ」
ざっと見回してクリスティはこの中でジョナの望むような好条件の男がいない事を確認して、今後の打ち合わせの為にすでに候補にあがっている『拠点』を買いにいこうと呼びにきたのだ。
イェーガーが不在の中、クリスティとジョナの2人で拠点選びをしようとしていたのである。
ちなみに、レーヴェとバーレンはリンデンバーグ家で特殊な訓練をしていてこちらも不在だ。
遊びという訳ではないが、今日はジョナとクリスティの自由な時間となっていたのだ。
「…ちょっとクリスティさん、どうしてジョナ先輩を連れて行くんですか!?」
「そうだ、友達だからって一緒に魔導騎士団に行くだなんて、何を考えているんだ、遊びじゃないんだぞ!?」
口々にジョナを呼び止めていた後輩の受付や冒険者たちが今度はクリスティに向かって騒ぎ始めた。
何としてもジョナをこの冒険者ギルドにいて欲しいんだろう、その原因であるクリスティを止めれば、ジョナが戻ってくると思ったのである。
「…確かに、私が誘ったっていうのも原因の一つだろうけど…最終的に決めたのはジョナよ?
私がどうこういう必要を感じないわ。
あと、遊びな訳ないでしょう、煩悩の塊風情が私に意見するだなんて偉そうに何様のつもりよ、去勢した上にそのブサイクな顔面を変形させてもっと醜い面にするわよ?」
クリスティはジョナが自分と付き合って行く以上将来の生活の保障を諸々背負わなくてはいけなくなる。
玉の輿云々もそうだが、ジョナが幸せを求めるというのなら、その協力は惜しまないつもりである。
具体的にいうと、魔導騎士といった好条件の男たちとの出会いなどである。
「いちいち相手にしてやる義理もないし、行くわよジョナ。
不動産屋が待っているわ」
「えっと…それじゃあみんな、一生の別れじゃないんだし、また機会があればまた」
軽く殺気を向けるとジョナ以外の面々が殆ど全員が固まり、その間にジョナの手をとってクリスティは冒険者ギルドから出て行った。
残された面々は漸く全身の震えが収まった後、ジョナが連れて行かれてしまったと未だに見当違いな考えをするのであった。
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クリスティがあげていた『拠点』候補にはある条件があった。
1つ、無駄に広くないこと。
1つ、汚くないこと。
1つ、必要数の部屋があること。
1つ、居住空間を確保出来ること。
以上の4点である。
クリスティは拠点を作ることで、ついでとばかりに自分もその拠点に住もうと考えていたのである。
もちろんイェーガーを筆頭にジョナやレーヴェ、バーレンも含めてなので、リンデンバーグ家の別宅ほどではないが、部屋数のある物件が必要だったからだ。
「…ねぇクリスティ、この物件……大丈夫なの?
床はギシギシいうし、壁は薄いし、ジメジメしない?」
意見の多いジョナではあるが、クリスティもその意見には同感だった。
立地条件は王城付近で問題なかったが内装どころか建物自体が老朽化していてとてもではないが長期的に住むには無理があった。
他に紹介された物件はと言うとどこも条件は良かったが実際に目で見るとクリスティとジョナはすぐに候補から落選していった。
「あとは…これで最後ね。
時間的に見て1件といった所だから、ちょうど良かったわ。
最後の最後よ、ここには自信があるのだけど…もし明日に持ち越しなのはいやね」
ぼやくクリスティをよそにジョナが疲れたのか冷ややかな目で口を開く。
「…ていうかクリスティ、こういう物件探しって予めクリスティが最重要候補を決めておくものなんじゃないの?」
「別に私が勝手に決めても良かったけど、こういう感性があるのはジョナが一番だと思ったんだもの。
イェーガーは間違いなく好き勝手に回想するのは目に見えているし、ダメ執事とダメ従者については問題外ね」
「…つまり、消去法であたしになったの?」
「素直になりなさいよ、私の決定に何か不服が?」
「いや、だから何でそうもあんたは偉そうなの?」
「決まっているじゃない、私だからよ!!」
自信満々にふんぞり返るクリスティに、ジョナは諦めてもうこの話を切り上げることにした
不満がある訳ではない、ただ単に無駄に歩き疲れて苛立っていただけなのだから。
「……着いたわね、今日最後の1件よ」
辿り着いたのは条件から若干遠ざかっている洋館だ。
外装は一部は暗くしていて蔦も雑草も伸び放題で、廃館と言ってもいいだろう。
しかもこの物件には良くない噂があった。
出るのである、幽霊が。
「……出ないじゃない、拍子抜けね」
「何を期待していたのよあんたは…」
呆れたジョナだったが、ジョナも少し期待していたのだろう。
冒険者をしている所為か、幽霊といわれても倒せるか倒せないかの基準になってしまった2人には幽霊による恐怖などたいした問題ではなかったのだ。
「何って、幽霊よ幽霊。
自殺者が出たとか不動産屋は言っていたけど、外側は酷いくらいで内装はそれほど酷くはないわ。
少しレーヴェとバーレンに掃除をさせれば問題はなさそうよ?」
「あの2人、掃除できたの?
掃除用具を勢いあまって壊して、壁をぶち抜いたりしない?」
「ダメな時はイェーガーにさせるわ。
2人には草むしりと蔦の除去をさせればいいし…それでもダメな時は、王都を毎日100周させるわ」
「…とりあえず、あたしからは何も言うことは無いわね、執事と従者の教育はクリスティが頑張りなさい、助言はしないわ」
目を回すまで走っているレーヴェとバーレンを想像たのだが、ジョナは2人に同情はしなかった。
容易に2人が洋館内部を『うっかり』破壊して回る様を想像で来てしまったのだ。
戦闘以外で、あの2人に期待するには現状無理だとジョナは判断せざるを得なかった。
『…あ、ああ、お、オン…ナ…だぁ』
どこからともなく男の声がしてきたのに気付くと、クリスティとジョナはそれぞれ魔剣とナイフを抜いて辺りを見回した。
「幽霊の第一声が女だなんて…ここの自殺者、女に捨てられて死んだんじゃない?
惨めな死に方ね、繋ぎ止める努力を怠ったのね」
『ア…アアオンナああああああああああああああっ!!』
絵画から這い出てきた血塗れの男が叫び声をあげた。
顎が外れても構わず開いて喚いている幽霊はクリスティとジョナ目掛けて突進して行く。
「…幽霊だからあんなに顎が外れても平気なのかしらね?」
「何を暢気に言ってるのよクリスティ、そのご大層な魔剣でさっさと切り伏せちゃってちょうだい」
「そうね、私の魔剣【フレイ】の解析結果も対処可能だし、終わらせるわ」
クリスティは向かってくる狂乱状態の幽霊目掛けて一閃した。
何の抵抗もない、紙を切り裂く以上に手応えのない感触に違和感を覚えたが、これが幽霊の感触なのだと思う事にした。
斬り応えの無い幽霊を斬った後、クリスティとジョナは部屋を確認し始めた。
「……そうね、掃除が必要だけどこの程度ならどうとでもなるわね」
「クリスティのおかげで幽霊は排除できたし…後はあの赤い英霊にでもお願いして浄化してもらう?」
「そうするわ、ちょっと部屋が余ってるけど…何かあった時の為に整えておけばいいわね」
応接室や客室、執務室、そして居住に使う部屋も含めてもまだ余るのだ。
次の日、クリスティはこの洋館を買うと不動産屋にいうと、『幽霊が出た』という理由をつけて限界まで値切り交渉をした。
当然だが不動産屋はクリスティに額面通りの金額で買わそうとしていたが、強気なクリスティを前にギリギリまで値段を下げまいと粘りに粘って、半額以下まで値下げしようとしていたクリスティだが、3割まで値下げで納得する事にした。
更に数日後、クリスティ達5人は洋館の大掃除を開始したのだが、危惧していた通りレーヴェとバーレンが個室を大部屋へと増築して、王都を100周する事になるのだった。
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???
「リリィ、どうかしたのかい?」
腰まで届くほどの黄金の長髪をした少女は上機嫌に笑っていた。
「ふふアインズ、聞いて聞いて!!
ようやく準備が整ったの、これでまた楽しくなるわよ!!」
嬉しさに溢れた少女に青年は優しく頭を撫でた。
「そうなんだ、それは良かったよ。
リリィの可愛い顔が見れて、私は幸せだよ」
「私もよアインズ、私も貴方が大好きよ」
笑い合う2人は手をとって踊りだす。
楽しそうに笑いながら踊る2人はお互いが疲れ果てるまで踊り続けた。
読んで頂き、ありがとうございました。
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