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Sweet&Bitter  作者: みずの
夜も昼も
95/152

9 side:Yukisada


 仰々しく巻かれた包帯に視線を落としていると、目の前に一台の車が止まった。近くまで来たそれに眉間の皺を濃くして顔を上げると、見慣れない車の助手席の窓が開く。



「本城先生、今お帰りですか」

 運転席からこちらへ身を乗り出して声をかけてきたその主は、成川蓮だった。まだ教師になったばかりとは思えない高そうな車は実家のものなのかもしれない。「あぁ、はい」と小さく答えて、俺は駅前のロータリーというその場所でその男を見下ろした。



「今日はありがとうございました。…助かりました」

 軽く頭を下げながら言うと、成川蓮は微かに笑う。…女子生徒なら悲鳴を上げて喜びそうな、紳士的な笑顔だった。とてもまだ社会人になって数年の男の落ち着きようには思えない。



「お怪我は、いかがでした?」

 手の包帯に視線を落として尋ねられ、俺も何となく自分の手を見やる。大丈夫だと言うように軽く持ち上げて見せて、「大した怪我じゃなかったみたいです」と応じた。

「そうですか、良かった」

 社交辞令なのか、はたまた本気でそう思っているのか判断しにくい笑顔を張り付かせて彼は言う。

「…生徒たちの方はどうでした? 野球部の連中とか…」

 気になっていたことを尋ねると、成川蓮は「あぁ」と小さくまた笑った。

「大丈夫ですよ。生活指導の先生に怒られて相当反省していたみたいですけど…。本城先生のところにも、明日ご挨拶に伺うように言っておきました」

「……あぁ…そうですか」

 謝りに来られたら来られたで面倒くさい。…が、まさかここでそう言うわけにもいかなくて俺は曖昧にそう濁した。あの時は俺も咄嗟に大声で怒鳴ってしまったから、相当奴らは萎縮してしまっていたことだろう。真面目な野球部員に、多少可哀相なことをしたと今なら思う。



「化学部の生徒たちも誰も怪我していませんでしたし、皆片づけを手伝ってくれて今日は早めに帰りました」

 そう続けて報告されて、俺は思わず「…あの」と言葉を継いでしまっていた。

「?」

 首を傾げた成川蓮が、俺を見上げる。

「…白石は…どうしました?」

 相当責任を感じて顔面蒼白になっていたあいつを思い出し、俺はためらいがちになりながらもそう尋ねる。俺があいつのことを尋ねること自体を訝しく思われるかとも思ったが、彼は一番あのガラス片の近くにいたのが白石だったというのを認識していたためかそれほど違和感を抱かなかったようだ。



「まぁあれだけのガラスが降ってきた近くにいたのでショックは受けていたみたいですけど…。帰る頃には、少し顔色も良くなっていました。車で送って行こうかと言ったんですが大丈夫だと言い張ってましたし」

 そういう彼の言葉に、そういえばこの状況ならこの車に乗っていてもおかしくないはずだということにようやく気づく。この男があいつの「元彼氏」であるなら、尚更。



「…そうですか」

 小さく呟き返して、俺は自分が心のどこかでホッと胸を撫で下ろしていることに気づく。自分であいつを目の前のこの男に託したくせに、それでもここに一緒にいないことに安堵するなんて…。



「それより先生」

 そんなことを考えていた俺に向けて、成川蓮は薄く笑みを浮かべた表情で言葉を継いだ。

「よろしければ、ご自宅までお送りしますよ」



 言われて、返事をしようとした…その時だった。




 キキキキィ! と耳障りな音を立ててタイヤを滑らせながら、ロータリーに入ってくる一台の車。その辺りにいた誰もがそちらを振り返る。俺と成川蓮も例外ではなかった。



 視界に映ったのは真っ赤なスポーツカーで、それに乗っている人物を認識すると俺は頭痛すらしそうなそこを抑えた。それはまさに俺が今日ここで待ち合わせをしていた相手で、まさかあんな派手な車をああも豪快に乗り回してくるとは思っていなかった。

「…ユキ!」

 成川蓮の車の後ろにつけたスポーツカーの運転席から、一人の女が俺にそう声をかけてきた。

「……」

 呆れて開いた口も塞がらない。それでもそうしてばかりもいられないので俺は再び彼の方を向いた。

「…すみません、待ち合わせをしていたので…ありがとうございます」

 厚意には礼を言うと、彼は少し赤いスポーツカーに呆気にとられていた様子だったがすぐにまたいつもの笑顔を浮かべてみせる。

「いいえ、お気をつけて」

 それだけ言うとアクセルを踏み込んでロータリーを出て行く。最後の言葉の意味は、これからあんな強引な運転をする車に乗る俺へかけられた、二重の意味のあるものだったに違いない。



 白い車を見送った後、周囲の好奇の目が注がれるスポーツカーに俺は嫌々ながらに乗り込んだ。




******



「ごめんね。待たせた?」

 俺が乗り込んでからすぐにまた車を発進させたその女は、悪びれた様子もなくのほほんとした口調でそう尋ねる。

「…いや」

 答えながらシートに身を沈めたが、俺は座る態勢からどうしても力が抜けなかった。これからきっと遠慮のかけらもなくスピードを出したり強引に曲がったり割り込んだりするだろうことを考えると、気を抜けなかったんだ。顔と体格に似合わない運転をするこの女が、今日ほど恐ろしいと思ったことはない。



 そんな俺の思いは知ってか知らずか、そいつはやはり予想通りグイと遠慮なくアクセルを踏む。乱暴な運転には違いないけれどテクニックはあるのだから不思議だ。



「ところで何、その手。どうしたの?」

 俺の右手の包帯に気づいたらしいそいつは、チラリと横目で一瞥してそう尋ねる。

「…別に」

 説明するのも面倒くさくて短く答えた頃には、少し先の信号が黄色になったところだった。普通なら余裕で止まるだろうその距離を、そいつは逆にアクセルを踏む。

「えー、大丈夫なの? 相当大怪我?」

「…おいお前、運転変われよ」

 下手ではないが事故られたらたまったもんじゃない。のほほんと俺の怪我の話を続けようとしたその言葉を遮って、俺は低くうなるような声でそう言った。

「えぇ!? イヤよ。運転は私のストレス発散だもの」

「明らかに俺のストレスが蓄積されてくんだよ!」

「うるさいなぁ。黙ってそこで煙草でも吸ってな」

 男前な口調でそう言い放って、そいつは前を見据えたまま目を細める。目的地までのショートカットをするらしく、あまり一般的には知られていない路地へと速度を落とさないまま入っていく。これは…いくら命があっても足りない気がする。



 諦めて椅子に座り直した俺は、乗ってすぐに装着したはずのシートベルトを今一度確認した。そしてそれから、胸ポケットから言われるがままに煙草を取り出す。一本引き抜いてジッポで火をつけようとしたところを、そいつは隣から同じように手を伸ばしてきた。スッと自分の分の煙草を奪い取ると、口にくわえてこちらへ向ける。目線は前を向いたままで、器用に火を要求するその仕草に俺は今日何度目かのため息をついた。



「…お前、完全に女捨ててるだろ」

「そういえばユキ、和美ちゃんと別れてくれたって本当?」

「……聞いてねぇなお前」

「本当かって聞いてんの」

 俺の話は全く聞く耳を持たないらしい。遮るように有無を言わさぬ口調で続けられて、思わず唇を歪める。

「…だったら何だよ。それに『別れてくれた』って何だ。お前のために別れたんじゃねぇよ」

「ふふ」

 声を漏らして、そいつは楽しそうに笑った。

「私のためじゃなくても、結果的に嬉しいわ」

「……そうかよ」

「だってユキに和美ちゃんはもったいなさすぎるもんねー」

「そっちか!」

 そんなことだろうとは思っていたが、あえて言われると思わず突っ込んでしまう。俺が言うと、そいつは今度は豪快に声を立てて笑った。

「で、元カノとヨリ戻したって本当?」

「…どっから聞いてくんだ、そんな情報」

「さーて、貴弘か修司かどっちだろうね?」

「……2択か」

「いや、理沙ちゃんて線もあるかもよ?」

「修司から聞いたケイコが言いふらしてるって線が濃いな」

「で、本当なの?」

「………メグミ」

 重ねて尋ねるそいつの名を、俺は静かにその時初めて呼んだ。



 「何」とチラリとこちらを一瞥するそいつに向けて、俺は前を向いたまま続ける。

「今、赤だったぜ信号」

「え! そうだった!?」

 気づいていたとしても止まったかどうか怪しい。ギリギリ赤になったところだったから、こいつならそのまま進んでいた気がする。人通りの少ない道路だとは言え、俺は今日、こいつと死のドライブを満喫させられる前に警察に捕まるんじゃないかという気がしてならなかった。




******



 メグミはあのバーの常連客で、大学時代に俺があそこに通っていた時から顔見知りだった。教師になってからろくにバーには行かなくなっていたので、その間交流があったわけではない。それでも最近色々なきっかけであそこへ行くことが増え、メグミや周りの連中との付き合いが再開した。白石を連れて何度も行っていたから、大体の常連客ならあいつのことも知っている。中でもメグミは特にあいつを気に入っていたはずだ。



「ここ」

 いつもとは違うバーで車を停め、そんなメグミは店を指差して見せた。静かに酒を飲むための店で、絶えずライブをしているあのジャズバーとは種類が異なる。中へ入るとまだ早い時間だから客はほとんどいなかった。カウンターで飲んでいるサラリーマンが一人と、テーブル席についている男が一人。



「マサト」

 テーブル席の男の方へ向かって、メグミが歩み寄る。その声で顔を上げた男は、俺たちを見るとソファから立ち上がった。180台後半の俺と、あまり目線が変わらない。ただ神経質そうに細身で、鋭い目元は人を観察しているというよりは睨んでいるようにも見える。『性格は良いが、初対面の人間なら少し敬遠しがちなタイプ』。事前にメグミから聞いていたそんな情報が、今なら頷けた。



「青田です」

 マサトと名乗る男が、俺に向けて手を差し出す。だがその瞬間、ふと俺の右手に包帯が巻かれていることに気づいてそいつは反対の手を差し出し直した。…意外に気の利くタイプらしい。

「本城です、よろしく」

「マサト、ラッキーだったわね。ユキがビッグバンドでピアノ弾いてくれることなんてまずないんだから」

 挨拶をしている俺たちの横から、ニヤっと笑いながらメグミが言う。

「ビッグバンドを今までやらなかった理由でも…?」

 俺に向かいの席を勧めながら、マサトは自分の場所に座り直した。そう尋ねられて、俺は小さく首を傾げる。

「いえ、特に。ただ機会がなかっただけで」

「嘘ばっかり」

 答えた俺の横で、メグミがそう言って笑った。

「ビッグバンドのピアノはトリオほどは目立たないから自己顕示欲の強いユキには物足りないんじゃない? 今回引き受けたのだって、本当は和美ちゃんがビッグバンドやってるユキも見たいって言ったからでしょー」

「メグミ、ちょっと黙ってて」

 俺が何か言うより先に、マサトがそう制止する。それから、すみません、とでも言うように俺に目配せした。

 …どうやら彼はメグミの兄的存在らしい。



「先月あのバーで本城さんのピアノを初めて聴いて、ダメ元ででもお願いしようと決めてたんです。今回は引き受けてくださってありがとうございます」

 ペコリと頭を下げるマサトに、俺は「いえ」と首を振る。どうも見た目より律儀な性格をした男のようだ。



 マサトは20人ほどのビッグバンドを率いる、ドラマーらしい。メグミもここに所属していて、ケイコもたまにゲストボーカルで呼ばれると聞いた。知らない面子ばかりでもないし、メグミにもケイコにも押し切られたところもある。だけど今回引き受けた一番の理由は、多分メグミが言った後者のものが大半を占めていた気もする。



 運ばれてきた酒を飲みながら、業務的な説明をされた後に音源と譜面を渡される。ベタなバンドらしくオーソドックスな曲ばかりだったので、改めて練習に時間を割く必要もなさそうだ。どちらにせよ、この手では今からすぐには練習できないので助かった。


 マサトと音楽やそれ以外の話をしていてどれくらいたった頃だったか、彼の携帯がテーブルの上で低い振動を伝えた。

「…会社からだ。すみません、ちょっと…」

 携帯を手に、マサトが席を外す。手を振ってそれを見送ったメグミは、もう何杯目なのか大して酒に強くもない顔を真っ赤にして笑っていた。

「ユキ、結局のところその手で本番出れるの?」

「1ヶ月後だろ? …間に合うだろさすがに」

「うちらと合わせる練習もしないと」

「分かってるよ」

「本番当日、和美ちゃんも呼んでいい?」

 会話の途中で急に驚くセリフをぶち込んでくるのは、こいつの癖なのか。俺とのやり取りの流れをぶった切って、メグミは悪びれもせずにそう言った。それに一瞬目を見開いた後、俺は肩を竦めてつまみに手を伸ばす。

「勝手にしろよ。来るわけねぇけどな」

 本当なら、俺の顔だって見たくないはずだ。学校で顔を合わせるのは仕方ないとしても、プライベートなそんな時間まで来るわけない。…俺があいつの立場なら、二度と俺の顔なんて見たくないだろうと思う。



「ん? 携帯?」

 どこかでバイブの音がしたのか、メグミがふとそう声を漏らした。その声に顔を上げると、ソファの傍らに置いていた俺の携帯が光って振動している。

「電話? だったら遠慮なくどうぞ」

「いや、メールだ」

 着信ランプがメールの色だったので、俺はそう答えてそれを開いた。何気なく携帯を手にしただけだったけれど、次の瞬間、俺は目を瞠る。思わず声を失ったのは、そこに表示された名前が白石のものだったからだ。



「……」

 カチ、とボタンを押してそれを開く。そこに書かれていたのは短い文章だったけれど、俺を驚かせるには十分だった。


 そもそも、もうメールなんて来ないと思っていたから。


 たとえ教師と生徒に戻ったとしても、何もなかったかのように普通に接するのは難しいと思っていた。いや、教師と生徒に戻ったからこそ、余計に。




「『先生、今日は本当にすみませんでした。怪我は大丈夫ですか?』」

「!!!?」

 いつの間にか俺の後ろ側に回りこんだらしく、メグミが画面を覗いてその文面を読み上げた。バッと振り返って携帯を閉じ、「勝手に見んな」と低い声で言う。

「ユキ、その怪我、和美ちゃんのせいだったの?」

 …文面だけじゃなくて送信元まで見たか。

「別に『せい』じゃない。たまたまあいつがそこにいただけだ」

「かばってあげたってこと?」

「お前うるせぇな。黙ってろよ」

 閉じた携帯を今度は胸のポケットにしまう。だがその時、メグミが「あ」と目を細めて俺を睨みながら呟いた。

「何だよ」

 眉を寄せて尋ね返すと、メグミは睨みながらもため息をつく。



「今すぐ返事してあげなさいよ」

「別に後でもいいだろ」

「良くないよ! まだ高校生の女の子が、別れた男にそのメール送るのにどんだけ勇気が必要だったと思ってんの!」

「……」

「今すぐ返してあげて」

 前から思っていたけれど、俺の周りの女は白石に甘い…というかベタ惚れな奴が多くないか。吐息まじりにそう思ったけれど、メグミの言い分も間違っているわけではない。恐らく、白石がこれだけの文章を送ってくるには相当の覚悟があったはずだ。




 再び携帯をポケットから取り出して、言われた通りに返信画面を開く。そうして文字を打ち始めた俺に、メグミが「…ねぇ」と改めて声をかけた。ただ、邪魔をするような呼びかけではなかった。どこかメグミらしくない、真面目な声音。



「ユキ、まだ和美ちゃんのこと好き?」

「好きだよ」

 あっさり答えると、あいつは意外だったのか大きく目を見開いた。それはそうだろう。俺はこういう質問に真っ向から答えるタイプじゃない。



「じゃあ…和美ちゃんとヨリを戻したいって思ってるってことだよね?」

 重ねて尋ねられて、俺はふと指を止めた。

「……どうだろうな」

 視線は携帯に落としたまま、小さく言う。

「自分と付き合っていても相手が幸せになれないなら…そこまでして一緒にいる意味はないと思ってる」

「自分の想いは犠牲にしても?」

「…好きなだけじゃどうにもならないこともあるってことだ」

 そこでその話を打ち切るように言い放ち、俺は再び携帯のボタンを押し始める。それを空気で読み取ったらしく、何か言いかけていたメグミもそれきり口を噤んだ。




「……っと」

 一旦メールを打ち終えた時、俺は違和感に自分で眉を寄せる。そこに書いた文章は、たった一行。「本当に大丈夫だから気にしなくていい」というものだった。




 でも…以前の自分だったら?



 そんな当たり障りのない、当たり前なメールを返していただろうか。誰にでも送るような、誰にでもそう答えるようなそんなやり取りを、あいつとしていたとは考えられない。



 もう自分は、白石との距離感まで見失っていたのか。もっとこう…自分があるべき姿、白石と自然に交わすべき姿があったんじゃないか。

 今ならそう思う。




 あいつが勇気と覚悟を振り絞ってメールを送ってきたように、俺も今から何かを取り戻せるだろうか。



 そう思いながら打ち直したメールは、それでもたった2行だった。だけど、内容と自分の中での意味合いは全然違うはずだ。




「『くだらねぇこと考えてる暇があったら勉強でもしてろ』? 冷たい返事ねぇ!」

 またもや後ろから覗きこんできたメグミが、呆れたように言う。


 送信完了のメッセージを確認してから、俺は「いいんだよ、これで」と携帯を閉じながら笑った。






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