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今も昔も星は僕らを見ることを繰り返す  作者: raira
原初の孤独と悠久の誓い
7/7

小さな共同体との出会い

村を追われ、森をさまよい続けたカイは、疲労困憊していた。食料は底を突き、体は限界を迎えつつあった。何度か獣に襲われかけたが、その度に異常な回復力で致命傷を免れていた。彼はもはや、自分が人間なのか、それとも人ならざるものなのか、境界線が曖昧になっていた。

そんな時、彼は小さな共同体に出会った。彼らは定住せず、獲物を追って移動しながら暮らす遊牧民のような人々だった。

「どこから来た?」共同体の長らしき、賢明そうな老人がカイに尋ねた。

カイは言葉を選びながら、自分が故郷を追われた身であることを伝えた。老人は黙って話を聞き終えると、「我らと共に来るか。ここでは、過去は問わない。生きる意志がある者だけを受け入れる」と告げた。

カイは老人の言葉に甘え、新たな共同体での生活を始めた。そこには、村のような秩序立った生活はない代わりに、不思議な自由があった。人々は狩りの技術に長け、自然と共に生きる術を知っていた。

束の間の平穏が訪れた。カイは持ち前の器用さで、すぐに共同体の一員として認められた。彼は狩りに参加し、道具を作り、人々と交流した。

ある日の夕暮れ。老人が火を囲み、若者たちに古くから伝わる言い伝えを話していた。「遠い遠い海の向こうには、この世の真理を説くという『仏』の教えがあるそうだ。その教えは清らかで、人の心を救う力があるという」

若者たちは興味深そうに耳を傾けていたが、やがて「そんな遠い話、どうせ作り話だろう」と笑い飛ばした。

しかし、老人は真剣な顔で続けた。「いつか、その『真理』の教えを、命がけでこの地に運んでくる者が現れるかもしれない。その者は、あらゆる苦難に遭い、視力を失うかもしれぬ。だが、その純粋な意志こそが、この国の未来を切り開くのだ……」

カイは老人の話に静かに耳を傾けていた。他の若者たちには理解できない、遠い国の作り話。だが、カイにはなぜか、その話が心に響いた。

(真理の教え……命がけで運んでくる者……)

この共同体で、彼は自分が「異物」ではないと感じ始めていた。だが、老人の話は、彼がこれから歩む遥か数千年後の未来、「鑑真」という一人の僧が歩むことになる、苦難に満ちた求道の旅への遠い伏線となった。

この小さな共同体で、カイは束の間の平穏と、未来への微かな希望を見つけつつあった。


今作品はあくまでも練習用として書いていました!けどここまで読んでもらえるとは思ってもいませんでしたwシリーズ系は今度ちゃんとしたのを書く予定ですのでよろしくお願いします!

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