プロローグ/『泥は星に堕ちる(フォール・スター)』
一章の修正や年末年始の挨拶周りやらなんやらで、少々更新に時間がかかってしま申し訳ありません!前述でも言った通り、初投稿時には描けなかった部分や伏線を一章だけではなくエピローグにも追加しましたので、既に読んで頂いた方は今一度読み返してみてください!それでは二章の始まり始まり~(2025/1.4)
根こそぎ「漂白」された熱い白砂の死んだ香り、吹き荒れる風、まるで世界が悲鳴を上げているようだった。だが今スバルにとって一番問題なのは、裂けるようなのどの渇きだった。
飛ばされた時のセピア色の夕空とは一転し、空には月が昇っていた。魔泥の回復効果で多少動けるようになっていたスバルは何処を目指すわけでもなく、ただひたすら真っすぐ歩いていた。
(殴られた腹はまだ痛ぇし負った他の体の傷も痛いけど、だいぶ回復したな。ゴミだと思ってたしその性でいっぱい苦しんだ『慈弱者』に救われるとは思ってもみなかったけど、今はどうでもいい。とにかく水を探さねぇと先がねぇ!)
そう思い立ったのが数分前。先の戦闘で、魔力切れ気味で負傷まで負った体を無理やり動かした結果、水を見つける前に体力が尽きたのだ。
(..やばい本気でシャレになんねぇ、今倒れたら次起きても体を動かせる保証はねぇぞ)
思考を回した結果、痛む体を無理やり起こし、倦怠感に包まれながらも手から新に生み出した魔泥を汚れた服で絞った。
濁りどろっとした一滴の雫を舌に乗せ飲み込む。
(……喉が焼ける。胃が拒絶反応で痙攣する。だが、この不快感こそが、俺がまだ『漂白』されていない唯一の証明だ)
絞る作業を幾度となく繰り返し、そのたびに強烈な不快感と吐き気をなんとかいなし、飲み込む。
何とかのどが潤いを取り戻してきたところで、張っていた気がプツンという音を鳴らして解け、その場に倒れ込む。
(結局泥水を啜ってる気がするけど、それがいかにも俺らしい)
そう思いながら眠りについた。
ーー気が付いたらもう水平線から朝日が顔を覗かせたのだろう。空が明るくなっていた。
「さてと、今日も今日とて水源か街を追い求め歩きますか!」
どこかで、魔泥を絞って出た水があるじゃないか!という声が聞こえた気がするが、あんなまずい水、水ではないのだ!そこまで言うならあれを飲んだ上で45文字以内で簡潔に感想を述べてみてほしい。本当に勘弁してもらいたいものだ。
そんなことを考えながら、砂を蹴り、スバルは歩みを進める。突如、足元が爆ぜた。
――砂虫だ。轟音と共に現れた巨躯に、死の予感が背筋を走る。
「どうやら死に損ないの鼠を、砂の中からバカでかい化け物がわざわざ笑いに来たらしい」




