レアで!
ざツナスープ君が最初のイメージとめっちゃ変わっちゃった、なんで足を翼にしてしまったんだ、
「さすがにちょっと疲れた。てか、お前なんもしてなくね?」
「一人で突っ込んですぐ倒すからカバーが間に合わないんです!」
多分こいつに勝ってるステータス無いんだよなぁ、一番高い魔力ですら負けてそう。
「あっそ。それでも流石に十体ぐらい倒して三級が二つはかなり下ブレてんなぁ…もうそろ場所変えないと効率落ちそうだし……だぁぁあ!!うぜぇ!!!てめぇもどうせ三級だろ!!」
さっきからずっとダルウェンからの嫌がらせを受けていた不可避レがキレる。
「さっきから全部そっちにヘイトいくね、仲間だと思われてるんじゃない?」
「仲間同士は攻撃しないだろ!お前が牛に似てるからじゃないか?」
「ん?」
流石にいまのは聞き逃せない。がんばれ!ダルウェン!
『モ゛ォオオ!!』
やはり爆発。そして当然のように生き残るな。
「…よっしゃぁあ!一級ゲット!」
「褒めて遣わす。次は「レア」を持ってくることを命ずる」
「はいはい分かりましたよ、とりあえず少し移動するぞ。『我が足よ!』」
オープンカーが出現する。
「げっ、またコレ?三半規管ちゃんが悲鳴をあげるから嫌なんだけど」
「走ってついてくるか?」
クッションが硬い。そしてシートベルトを設置するように言われなかったのか?
「てか、なんで移動するにょぉおおお!」
いきなり出発するな。出発の合図を出せ、合図を。
「このゲームシンボルエンカウントだから一定の数倒すと周りにスポーンしにくいんだわ。視界に入る場所にいきなりモンスターが出現したりもしないし、だから同じモンスターを倒し続けたいなら移動をするのが基本。聞いてる?」
目線をりゅーに向けるとそこには半透明になったりゅーのアバターがあった。
「強制ログアウトされたか、」
このゲームは体に害が出る前にプレイヤーを強制ログアウトさせる機能を採用している。このログアウトは通常のログアウトと異なり再ログインに一分待たないと行けない。
「戻ってくるまで待つか、ん?」
目の前に、お口をあけたかわいいうしさん。
「『我が手よ!』『腕を解放せよ!』」
不可避レの目の前に巨大な「箱のようなもの」が出現し爆熱砲を遮断する。
「流石に無傷ではないか…回復に何日かかるのやら…『収納!』よりにもよって二匹かよ…」
こんな中にりゅーがログインなんてしたら1秒も生き残らないだろう。
「こんなところで出し惜しみするなんて馬鹿だよなぁ!」
そう叫びながらドロドロとした大剣を構える。不可避レは両手剣を二本持つことができるからずっと二本持っているわけではない。
そして彼が呪剣を構えた理由は、「ソレ」に気づいたからである。
『呪剣』
それは呪う物であり、天罰を下す物。




