焼き加減は?
やっと、やっと戦闘が始まった
〈デノパン平原〉
「よ、酔った」
「いつダルウェン来るか分からないから早めに立ち直れよ。『収納!』」
そう言うと翼の生えたオープンカーが消えていく。
「今更だけどダルウェンってどんな奴なの?」
「車なみの速度で火吹きながら突進してくる牛」
「私を倒すために生まれて来たキャラじゃん」
「俺が前線で抑えるから適当にカバーよろしく。あとダルウェンは遠距離にも火吹けるから油断すんなよ」
「流石にそこまで馬鹿じゃないわよ」
「だってお前ここの推奨レベル六十だぞ」
そう言う不可避レに圧倒的な赤色の風が直撃する。
「生きてる?」
「元気ピンピン。不意打ち効かないんだわ。とりまあいつ地獄行き。」
不可避レはそう言うと自販機程の剣を二つ持ち、構える。これは現在この世界で彼しか確認されていない職業である「真っ向勝負士」の固有スキル「浪漫を両手に」による効果である。
「じゃ、私はチクチク攻撃」
そう言うと、彼女の周りにごぼう程度の氷の塊が生成され放たれる。
「うーん、流石にダメージ入ってないかな」
ここは推奨レベル六十と通常、彼女のようなレベル一桁が来てもお荷物以下だ。
「早く!肉を!落とせぇ!」
殺意を込めた不可避レの攻撃はダルウェンに決して浅くない傷を負わせる。
『モ゛ォオオ!!』
ダルウェンが全身から火を噴き出す。これはダルウェンが死を覚悟した時に使う、最後の輝きである。
「ちょ、そんなに燃えたら、」
不可避レに、先ほどとは比べ物にならない程の大爆発が襲う。
「や、やったか!?」
「ザンネーン、生きてまーす」
なんだこいつ。あの爆発直撃したよね?こいつが一番敵なんだけど。
「あれ?ダルウェンのお肉は?」
「それなんだけど、こいつ今の爆発したら消し炭になって何もドロップしないんだよね。経験値はリドミゴブリン程度は貰える」
「つまり?」
「爆発する前に倒すか、殴ってドロップするまで粘るしかないんだわ」
よし、こいつに速攻で狩らせるか。
「あの爆破ほぼモーションないから止めるのほぼ無理なんだよねー。だから、ダルウェンの肉は殴って肉を落とすのを祈るしかないから、殆どのプレイヤーはこいつを無視して別のモンスターを狩るんだよ」
「なるほどね」
そう言った瞬間、不可避レが茶色のダンプカーに吹き飛ばされる。たまやー
「この、牛カスがぁあ!!全員仲良く精肉店送りじゃぁぁああ!!」
不可避レの職業になる条件は
・剣士、重剣士、両手剣使い、勇重剣士、のレベルが百以上
・天龍の書を入手
・○○騎士団を壊滅させる
・呪剣、聖剣、の大剣を入手する




