いざ、乗船
「結局ランダムクエストまで引くとは運いいな」
「うん、おじいちゃんがいきなり声をかけて来たのはびっくりしたけど、ランダムクエストなんだし受けて損ないでしょ!」
「けど、さっきの会話的にダルウェンビーフを渡すのがクリア条件っぽいな。一つ数万もする肉を貰おうとするとか、かなり強欲だな」
「ダルウェンビーフってそんなに高いの!?」
「等級によるが、三級でも三万ぐらいするぞ。たしか最高額は「レア」の六百万ぐらいだな」
「それなら、クエストの最大値の五個よりも取っておいた方がいいかな。けど三万ルドもする肉を五千ルドで渡すのは勿体無く感じるなぁ」
「うーん、『ダルウェンの肉』は調理できる人が限られているから一つで五千は普通だぞ」
「なら私が調理すればいいんだ!」
それができたら全員そうするだろという言葉を飲み込み頷く。
〈港〉
「フビー島行きはこっち」
不可避レについて行くと、言った通りフビー島行きの船があった。
『フビー島行き片道三千ルド、往復五千ルドでーす!』
うーん、やばい。地図とポーションで三千、さらにここでも五千、そして不可避レに借りた二万。合計で二万八千ルドも稼がないといけない。
「往復一つください!」
往復券をもらい船に乗る。あれ、こいつ買ってないのに乗ってね?
「なんで、俺が乗れてるか気になる?」
「おにいさーん!ここに無賃乗船してる人がいまーす!!」
『何っ!?』
近くにいたムキムキのお兄さん(NPC)に教えてあげた。悪は滅びた。
「おまっ!何を!」
『貴様か!』
こちらを睨む不可避レにウィンクを送る。熱い視線をそんなに送らないでくれ。何やらカードを見せているが乗船券ではない。ざまあみろ!
『これは…失礼しました。』
へ?
「何か言い残すことは?」
「不可避レ先輩チョーかっけー!」
「次はないぞ」
「ちょろ」うっかり口から出そうになった言葉を必死に隠す。
「と、とりあえず無事船に乗れたし到着するまでゆっくりしよ!」
「5分くらいしたら着くと思うし俺はちょっと離席するわ」
「私は船の中をうろうろしとく」
すると、不可避レのアバターが半透明になる。残念、当たり判定はないらしい。
「広いなぁ」
そう呟きながら船内を歩く。トルマリンシティ程ではないがかなり人が多い。
「あそこ人多いなぁ。なにがあるんだろ」
船の端にも関わらずかなりの量の人がいる。
「うぉっしゃぁあ!!」
「いやぁぁああ!」
そこは阿鼻叫喚の賭博場であった。
ちなみに不可避レの見せたカードは港のクラウドファンディングに二千万以上払うと手にはいるVIPカードです。クラウドファンディングに二千万も払って大丈夫かだって?こいつ数十億持ってるから




