ほぼ三つ巴の戦い
うーん、数字が漢数字だとやっぱ読みにくいかと思う今日このごろ
「やっぱり、一匹だけじゃなかった!」
大量に降ってくるカエルを全て避け、何匹かを剣で切る。途中でレベルが上がったがそれでもカエルの雨は終わらない。
『ゲコッ!ゲッ!ゲコッ!』
「この数の量を全部倒したらこの沼地を制覇ってことでいいかな!」
カエルが全て沼の中に戻る。すると空が暗くなり落ちてくる。豪快な音と共に彼女の乗っていた氷の板が巨大なナマズに踏み潰されていた。
「あっぶな!反応が遅れてたらご臨終してた。でもなんでこのナマズが上から?」
近くに木があってよかったー。このナマズがいる限り足場は作ってもすぐ壊されるし氷のブレスレットで空中から剣を落とし続けよ。で、なんでナマズが上から降って……
その問いにナマズはすぐに答えた。ナマズのエラのような部位から羽が生え、りゅーの乗っていた木を諸共突撃した。
今の時代ナマズが飛ぶこともあるんだね。やっぱりこの沼地を制覇するにはあのカエルじゃなくて君を倒さなきゃ!いざとなったらアレを試してからご臨終しないとね!
空に浮かぶ彼女を目で捉え、ナマズが高速で接近する。それを避けそのまま氷の剣で攻撃。
「一応手応えはある。あのカジキのせいでトラウマががが……いつかカジキをソロで討伐できるようになれるまでの力を、それには目の前のナマズなんて余裕で倒さなきゃね!」
♢
空中を飛ぶ少女とナマズの奇妙な光景を遠くで目撃したプレイヤー「F氏」の記録を我々は手に入れた。その映像を今から流そう。
「いやー、なんか見たことあるアバターをした人がいて見てたらナマズと空中戦をし始めて、面白すぎて動画撮ってクランのチャットに送ったんですよ。そしたらりゅーが─── 」
映像はそこで途切れている。最後の方に氷でできた剣のようなものが画面端に映っているがそれは何も関係ないだろう。
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やっぱり体自体はあのカジキとは比べ物にならない程に柔らかい。でもヌメヌメしてて斬りにくい。狙うならやっぱりあそこか。
氷の剣を構えてナマズ目掛けて一太刀。その刃は羽を捉え、見事に切断した。バランスを崩し落下していく。泥により落下ダメージは期待できないが彼女の狙いは落下によるスタンにあった。この世界では一定のダメージや魔法、一定以上の高さからの落下などでスタン、つまり硬直が発生する。
流石にこの距離から降りて攻撃したらその間にスタンは終わる、氷の武器を作って撃つまでにも時間は掛かる。やっぱりこういう時に頼れるのは……
彼女の上から降り注ぐ一筋の光。その光は彼女の目の前を通り、ナマズの背中に高速で打ち付けられる。その衝撃によりナマズの周りを全て吹き飛ばした。
「やっぱり魔法使いと言えば杖だよねー!杖の耐久が心配だけど壊れそうになったらゼンネンさんに……危ないまた人に頼るところだった、とにかくアレはしなかったけど新しい発見があったからヨシ!」
杖を空高くに待機させて、狙いを定め高速で落とす。通常ならほぼ不可能なことを持ち前の豪運と感覚で成功させ、かなりテンションがあがってる彼女が地面に戻る。衝撃波により周りの泥やカエルをぶっ飛ばした杖を引っこ抜く。
「これだけやったのにレベル8?カエルとナマズの経験値が少ないのか職業によって必要経験値数が違うのか……後者かな」
杖を持ちながら空を飛ぶ彼女は待っていた馬に乗り、旅を再開させるのであった。
F氏はロボットを操縦して飛んでいた模様
つまり、空飛ぶ少女vs空飛ぶナマズvs空飛ぶロボット




