馬鹿力ジキ
力とカ
「今ニーナにメールで聞いたら家の中にある魔法陣に乗ったら、最後にいた場所にかえれるらしいぞ」
「なるほど家ですね!家を持ってない場合はどうすればいいですか?」
「今聞く……『私の帰りを待っててね。』だってよ。あいつ今日仕事してるから二時間ぐらいは帰ってこないな」
見つめ合う二人。
「多分、俺が家作る方が早いな。じゃ、作っとくからコレで時間潰しといて」
そう言われ、釣竿を渡される。
【釣竿★★★を手に入れた】
「わかりました!釣ってきます!」
そう言いながら走り去る後ろ姿を見つめながら彼は思う。
「家の説明してないけどまぁいっか」
そう言いながら工具を持つ。
♦
「とりあえず海に来たけど釣りしたことないからやり方知らないんだけど、これを遠くに飛ばせばいいのかな」
そう言いながら釣りを始める。
「こういうチルな時間もいいよねー」
海を眺めながら生成解放で作った氷の椅子に座る。
『カジキ☆☆☆が出現しました。戦闘フェーズを開始します。』
「ん?」
嫌な予感がする。
『竿を引いてください。』
「うぉおおおー!!!」
釣竿を思い切り上に上げる。
「おっも!」
カジキも負けじと対抗する。
『竿を引いてください。』
「唸れ私の両腕ぇ!」
海から巨大な影が飛び出し、水飛沫で目の前が覆われる。
「キレイダナー」
全身が濡れる。カジキが目の前に打ち上がる。
『討伐フェーズを開始します。』
「締め?なにすればいいの」
カジキが暴れる。カジキのツノが彼女の足を捉える。そして、氷漬けになる。
「あっぶな、なんとかこれで締めれたかな」
パキッ
「あ、」
氷漬けから嫌な音が聞こえる。
パリィン!!
カジキ解き放たれる。そして、彼女に向かって突進する。氷の壁を作り防ぐ……
「痛っ!ちょっと貫通するのは聞いてないよっ!」
そう言いながら杖でカジキの胴体を叩く。手応えはあまり無い。
「もしかしなくてもコイツかなり強いなぁ。『生成解放!』『創製改変!』一応、下準備しよ」
そう唱えると彼女の手から杖が消え、右手に剣が作られる。カジキのツノを弾きながら首を狙って一閃。
「硬っ、」
浅い傷を与える。カジキの動きが活発になる。それを氷の壁で防ぐがダメージが蓄積されていく。
「これやばいなぁ、防いでてもジリ貧で負けそうだし、ここは攻めの一手!」
そう言うと、氷の剣をカジキにぶん投げる。それをツノで弾く。その隙に彼女は槍を構える。
「いつもより硬めだよ!」
そう標的に宣言しながら槍を振り回す。カジキも負けじとツノで応戦する。その時、カジキの上から高速の杖が降ってくる。
「直撃!そしてこれも喰らえ!」
槍もお見舞いする。だがそれでもカジキは耐える。
「これも耐えられるのかぁ、どうしたら締めれるのこのカジキ」
そう思っていると、至近距離にいたカジキが距離をとる。その隙に氷の剣を作り、飛ばす。
「クリーンヒット!かな!」
カジキが今までより激しく暴れる。
「もう少し、あとちょっと!」
そう思った瞬間、カジキのツノから超高速のレーザーが発射される。そのあまりの速さに壁を作る間も無く、彼女に直撃する。
「あっ、うっ、」
HPは残りはごく僅か、なけなしの氷の剣でカジキを狙うが、外れる。
「リスポーンはどこなんだろう」
そう思う彼女にカジキのツノがトドメを放とうとしている。
「──しぬ」
目の前が真っ青になる。その視界に映し出された物は、真っ二つになったカジキと刀を持ったロボット。
「……え?」
『カジキ☆☆☆を討伐しました。』
「間に合ったか、カジキ釣るとか結構運いいな。いや、レベル的にも普通は無理だな。俺がその釣竿あげたせいだし。いいとこ取りしちゃったみたいですまんな」
目の前のロボットがゼンネンだと理解する。
「い、いえっ!私、死にかけていたので本当に助かりました!」
「これ、カジキの素材と家の鍵。もう完成したからいつでも入れるぞ。あ、回復先にするか」
そう言われ、HP回復ポーションを渡される。
「ありがとうございます!今からすぐに見に行きます!」
そう言いながら走り去る彼女の背中を見てゼンネンは思う。
「家の説明するの忘れてた」
☆が素材・報酬★が武器・防具などのランク(後付け)




