星の導く洞窟 第五階層
無理やり五話に収めるためにいつもやり長いよ!やったね!
()がついてないのは天の声だよ!(後付け)
「いつもより階段長いなー」
そんな呑気なことを考えながら第五階層につく。
〈マルカダスの洞窟 第五階層〉
「こういうパターンもあるのか」
そう呟く彼女の前には扉があった。今までは扉に行くまでに試し切り相手や食料がいる場所があるのだが、この階層にはそんな場所が存在せず、すぐに扉がある。
「絶対ヤバいやつじゃん。今のうちに準備しとけってことだし槍作ろ。」
『生成解放』で作った氷の槍を装備して扉を開ける。
「もぐもぐ」
その前に野菜ズを食べてMPを回復する。
「作戦は、いのちだいじに!距離をとってチクチク戦法で行こう!」
どっかのゲスと真逆の思考になったことを本人は知ることない。そして、扉を開ける。目の前には下を向く甲冑を着る侍のようなモンスター?
「こんにちはー。本日はお日柄も良く、ここじゃ分からないか」
(甲冑を着たモンスター?がこっちを向く。なんかうどんみたいな剣持ってるじゃん。)
「あっぶな!」
(うどん侍が剣を構えたとほぼ同時に斬撃が飛んでくる。あれよく見たら剣じゃなくて刀か。本当にうどん侍だった。咄嗟に槍で飛ぶ斬撃を相殺する。もうボロボロになった。)
「威力やばいなー。侍が遠距離攻撃は反則でしょ。けどなんか倒せそ…」
(二つ、斬撃が飛んでくる。一つは氷の壁を作って防がことができたがもう一つは槍で防いだ。事前に作っておいた槍が砕け散る。)
「私の予想だった異形のモンスターじゃなくて人型だからなぁ、考えてた作戦が六割消えちゃった。残りの四割とアドリブで倒せるかな?」
(うどん侍が構える。斬撃自体の速度が超速いだけで構えの速度自体は少し速いぐらいだし、)
「MP節約のために避ける!ふっ、有言実行!」
飛んできた三つの斬撃を避ける。
「くらえ!」
『生成解放』で作っておいた槍をぶん投げる。うどん刀で叩き落とされる。
「本命も受け取ってね」
一本目の槍とは違う、『創製改変』で先端をより硬くしたもう一本の槍がうどん侍の頭を甲冑ごと貫く。
「今のうちに真っ二つにしてあげる!」
そう叫びながら大剣を構えながら走る。
『ガチャッ』
その音に警戒して咄嗟に距離をとる。
「へ?」
その音と共に甲冑が粉になって消える。
「うどんの粉落としは美味しくなさそう」
(咄嗟に言ってしまった。けど、絶対そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。所謂第二形態でしょこれ。…なんか、うどん刀が割れて二本に増えた。)
「トンファーじゃん」
(持ち方的にトンファー、に刃が付いた武器を構える元うどん侍。久しぶりの試し切り相手との再会に感動の涙が…いや、殺意しか出てこない。)
「正直前の大蛇の方が強かったと思ったけどそんなことなさそう」
先程まで一歩も動かずに斬撃を放っていた元うどん侍が彼女へと近づく。
(うどん侍の次は骨のトンファー使いか、うどん侍の方が強そう。)
彼女の急所を狙い、トンファーを振り回す。それを『創製改変』で強化した剣で全て防ぐ。
「狙う場所に殺意こめすぎでしょ!」
剣でトンファーを弾き、壁を生成してMPを回復する。
「『創製改変』を使いすぎるとMPがすぐになくなるなぁ。時を絶つ杖を装備しながら武器を持たないのがかなり痛い」
(アレをするためには準備が必要だし、こいつ動きまくるから狙いにくい。)
(壁にヒビが入る。少し離れよ。やっぱりスケルトンファー君かぁ。)
「とりあえずスケルトンファーの動きを止めれたら、今考えてるの!ちょっと待って!」
その声はスケルトンファーに伝わることはない。トンファーを剣で弾きながら後退する。そして壁に追い詰められた。
(この状況を打破するにはアレを成功させるしかないかぁ。大事なのはイメージ!)
彼女の上に宙を浮く氷の剣が現れ、スケルトンファーの足に突き刺さる。
「やった!初めて出来た!第三階層で出来なかったけど本番で決まった!」
それは彼女がこの魔法を習得した時から考えていた、
「できたら強そうな技 其の壱」
である。
「今のうちに距離をとらないと!」
目の前にいるガイコツはただのモブじゃない。そんなことはすでに理解しているからこそ、敢えて距離をとる。
「やっぱりまだ消えないかー。これでもくらえ!」
そう言いながら剣をスケルトンファーのもう一つの足に突き刺す。
「場は整った!あとは私のイメージ力!」
そう言う彼女は時を絶つ杖を取り出す。そして、時を絶つ杖が宙に浮く。
「MP回復ポーションも持ったし、これで状況は完璧!」
彼女の周りに四本の氷の剣が作り出され、スケルトンファーに向かって高速で発射される。打ち終わった時にはすでに、また四本の氷の剣が発射されていた。その攻撃を五秒程受けた、スケルトンファーは一秒で約十本も飛んでくる氷の剣により、消滅した。
「やったー!完全にイメージ通りにできた!時を絶つ杖の効果もちゃんと付いてたし完全に成功だー!」
そう喜ぶ彼女は目を輝かせながら報酬を確認するためにインベントリを開く。所持金が五万ルド増えているのと、地図がもう一枚入っていることに気づく。
「星の姿って地図のことかよ!」
だれもいない部屋に彼女の声だけが響く。
全プレイヤーが同じツッコミをする洞窟
ちなみにとあるプレイヤーはこの洞窟を一分以内に攻略しました。一体どこの渡世人なんだ……




