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境界線の花嫁

作者:お試し丸
私は“誰か”の花嫁だった。けれど、その“誰か”のことを覚えていない。

死者と生者が「婚姻」によって一時だけ共に生きられる世界――。

死者と結婚することで国家の危機が救われるとされる「霊婚法」に基づき、私は“死人”の王太子と婚姻を結ぶことになった。

けれど私は記憶がない。ただ、彼のことを見つめたとき、理由もなく涙が溢れた。

「……君は、僕の妻だった」

これは、記憶を失った少女と、死者となった王子の
“二度目の恋”と、“国家を揺るがす秘密”に触れる物語。

境界線を越えて、私はまた、あなたを愛す。
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