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いつか貴方に会えるまで  作者: 牡蠣寿司
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4話(フウキ視点)

隣から安らかな寝息が聞こえる。

それを見て俺は少し安心した。

今日は色々あったから眠れないかと思ったけど、、。

やっぱりこいつのこういう所は変わんねぇな。


俺の名前はフウキ。

まぁ正確に言えばそれは前世の名前だ。

今世の名前はアーサー。

拾ってもらったじいさんからはアズと呼ばれている。

前世では王宮騎士をやっていた。

親父が元々王宮騎士で、俺も憧れていた。

でも父親は全力で止めて来た。

俺は意味がわからなくて父親と殴り合いの喧嘩になった。

もちろん当時6、7歳のガキが30そこらの大人に勝てる訳もなくボコボコにされて俺は家から飛び出していた。

いつの間にか王宮に入っていてやばいと思って帰り道を探していた。

その時にアイツをみつけた。

アイツは静かに声を殺して泣いていた。

正直俺はすっげぇ動揺した。

でもアイツの顔を見てすっと冷静になった。

アイツは身体中にアザがあった。

俺はちょうど持っていた自分用で使おうと思っていた未使用の包帯をアイツに使おうと考えた。

そしておれはアイツに近づきアイツの手を取り包帯をまいた。

手当をしている時腕がすごく細いのに気づいた。

俺と同い年の女とは何度かあったことはあるがこんなに細くはなかった。

細すぎて少し力を込めたら折れそうなくらいだった。

俺は手当を終わらせ元気になってもらおうとそこらへんに咲いてあった花を取った。

――今だからわかるがあれは王宮の持ち物だったらしい。お袋が言っていてわかった。

おれはアイツに花を渡し帰って行った。

多分その時にはもうアイツに惚れていたんだろう。

帰ったらもちろん親父に殴られた。

でも俺は清々しい気持ちだった。

親父はそんな俺の顔を見て珍しいものでも見るように俺を見た。

あれから王宮に行く機会があった。

王宮では、第1王子が迎えてきたが、俺はアイツの姿を探していた。

でもアイツはどこにもいなかった。

ふとアイツの格好を思い出した。

アイツはどちらかというとメイドの格好をしていた。

だから俺は第1王子に聞いてみたんだ。

するとほかのほかの大人たちは分からなそうにしてたのだが第1王子だけはすこし驚いた顔をしていた。

そして大人たちが離れたあと第1王子は俺のところに来て『彼女感謝してた。俺からも手当してくれてありがとう。』と、言い去っていった。

それからはアイツに会うことなんてなかった。

だけど俺が中等部に入る時にアイツにあった。

アイツは第1王子の後ろでメイドの服装をしていた。

相変わらずくっそ細かった。でもすっごい綺麗になってた。

第1王子とはたまたま同じクラスになったから正直アイツ目当てで近づいた。

まぁすぐ第一王子。いやレオンには気づかれた。

アイツの名前はレナと名乗っていた。

でもあとから実はレオナと知らされた。

レオンとレオナは双子で、レオナは差別されているらしい。だから、レオナはメイド服を着ているらしい。

それを聞かされた時俺は2人からようやく本当に信頼されたと感じた。

それから俺とレオンとレオナは一緒に過ごすようになった。

最初は胡散臭い感じだったレオンも信頼され素を出し始めたのか気のいい青年になっていた。

レオナも無表情から明るく表情がコロコロと変わる普通の少女になっていった。

2人は公の場では硬かったが俺の前では本当に楽しそうに笑っていた。

俺も親父から良い方面で変わったといわれるほど表面的にも変わっていった気がした。

でもそんな楽しかった日も俺らが17の時に終わった。

レオンたちには弟がいた。

そいつは仕事はできるけど性格がクソな両親によく似ていた。

もちろんレオンの方が頭も良かったし運動もできた。

人望もあり王を目指す弟にとっては目の上のたんこぶ的な存在だった。

そんなレオンを陥れるものを見つけてしまった。

そう。レオナだ。

レオンはレオナを溺愛していた。

レオナのことを実の姉だと知らなかったあいつはレオナとヤりあいつを絶望に叩き込み上手く丸め込んで王の座につこうと思っていたようだ。

しかしレオナはそれを拒んだ。

それにきれたアイツはレオナに熱湯を浴びせた。

レオナは大やけどをしてそれがレオンにバレた。

レオンはきれ、両親に訴えかけたが両親は何も対処をしなかった。むしろそろそろあいつ(レオナ)は捨てるべきだとまで言った。

それにレオンはきれないわけがなかった。

でも、レオナが止めその場はおさまった。

しかしあいつが逆恨みしレオナとレオンを殺そうとした。

レオナが王宮に戻った時俺はふと嫌な予感がして王宮にとどまっていた。

その時銃声が聞こえた。

俺はすぐレオナの所に向かった。

レオナの部屋に飛び込むとレオナは頭から血が出ていてその傍らでレオンが血を被って泣いていた。

そして端っこには銃を持ってレオンに撃とうとするあいつが居た。

俺はいつの間にか体が動いていた。

俺は撃たれたが風を起こしあいつから銃を手放させあいつをそのまま風の手錠で足と腕を固定させた。

そのまま俺は気を失い前世は終わった。

今世では子育てもできないクソ女が俺を捨てそこをじいちゃんに拾われた。

そして平和に過ごしていたある日。倒れていたアイツを見つけた。

初めてひとりで狩りをやっていた時だった。

人影が走り去っていくのが見えた。

そしてその後ろにクマが追いかけているのも。

ここで死なれたらめんどくさいと思って熊を殺った。

そして殺されかけていたヤツを見るとレオナの顔にソックリだった。

別にそれだけが理由じゃないけど俺はソイツを家に連れ帰り手当をして寝かせてやった。

しばらく起きなかったし世話はじいちゃんに任せていた。

そして三日後。山菜を取り帰ってきて下処理をした時、ふとアイツのことが気になった。

だから部屋に入ったら今はもうどこにも使われていない懐かしい言語で昔の名前をソイツは呼んできた。

もうここら辺で何となくわかってた。

その場では知らないふりをしてじいちゃんが出てったあと故郷の言葉で聞いてみた。

そしたらやっぱりレオナだった。

まぁそこからは恥ずかしくてあんま言いたくないけど結構泣いた。

あの時レオナを守りきれなかった事をずっと後悔していた。

でもレオナはそんなの気にしていないとでもいうふうに俺を励ました。

そしてなんやかんやあって俺たちは一緒に住むことになった。

これからレオナと一緒にまたいられると思うと正直すごい嬉しい。

そして今に至る。

レオナが安心して休めて本当に良かった。

この環境を俺は守ってかなければならない。

今度こそ守りきるんだ。

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