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いつか貴方に会えるまで  作者: 牡蠣寿司
4/6

3話

あの後ようやく説得できたフウキは疲れた顔をして夕食を作りにかかった。

私も手伝おうかなーと思ったけど全力でフウキに止められた。

ひどくない?

これでも少しは自炊してたんだよ?

カエルの丸焼きとか、たんぽぽのコーヒーとか、、、。

懐かしいー。

そしてほぼ体を拭いてしかなく汚いからだを洗うことになった。

「本当にひとりで大丈夫か?きちんと洗える?」

「大丈夫です!(多分)」

「本当か?やっぱりわしも、、」

「ダメに決まってんだろ。えろジジイ。」

フウキにそう言われてとぼとぼとおじいさんは戻っていった。

「はぁ、、。何かあったら大声で呼べよ?」

「あいあいさー!!」

そうしてお風呂場で体を洗い暖かいお風呂に入った。

あぁ。本当に久しぶりだ。

いつぶりだろう。

あ、そっか。前世以来だ。

あの時フウキが家に招待してくれて初めてお風呂に入れさせてくれた。

暖かかった。家の人も嫌な顔せずに入れてくれた。

うーーん。今日は涙腺がやばい日だ。

まぁたまにはこういう日もあってもいいかな。

地味にのぼせてきたところで風呂から出てそこに置いてあった服に袖を通した。

髪は、、どうしよう。

私が迷っているとフウキがこっちを見に来た。

「あぁ。出たのか。」

「うん。ねぇ、髪ってどうやって、、、」

「あぁーなるほど。わかった。少し待ってろ。」

「う、うん。」

そうしてキッチンに戻ってなにか作業をしたあと私のところに来て私を椅子に乗せた。

「え?」

フウキは無言で手から暖かい風を出した。

私はされるがままにされていた。

なんだかこれも懐かしい。

「昔からフウキは風魔法が上手かったよね。」

「あぁ。、、たしかお前は闇魔法が得意だったよな。」

「あぁーーそうだね。最近あんま使ってなかったから忘れてた。」

あれあんま使えないんよなぁ。

私がそう言うとフウキは少し不満そうな顔をして言った。

「星を出すやつ良かったけど、、、。」

あぁそういえばそんなのもあったなぁ。

あれは地味だけど何故か好評だったんだよなぁ。

でも私は戦闘系の魔法が好きだったしそっちの方が明らか便利だったから闇魔法は好きじゃなかった。

そうしているうちに髪は乾いた。

「すっご。つやつやじゃん。さっすがフウキ!神様!!天才!!」

「はいはい。もうご飯できたから行くぞ。」

「つれないーー。」

私がブーブー文句言っているとフウキは嬉しそうに笑った。

「ほんとに、レオナなんだな。」

「ん!?信じてなかったの!?」

「いや、そういう訳じゃねぇけど。やっぱり嘘ついてる可能性とかもあったわけだし、、。」

「つかんわ!私は純粋無垢な1回も嘘ついたことがないレオナちゃんですから!」o(`・ω´・+o) ドヤァ…!

「はいはい。」

そんな会話をしながらご飯を食べる部屋に入っていくとおじいさんはニコニコしながら私たちを見ていた。

「、、なんだよ。」

フウキが不満気に言うとおじいさんはニコニコ笑いながら言った。

「いやぁ?べっつにー?」

フウキがスルーして私に向き直った。

「ほら。」

「ん?」

「ここ。」

フウキは自分の隣に指を指すと座るように指示した。

「、、何そのイケメン行動。やめてくんない?」

「いいから座って食えや。」

「ふぇーい。」

私は目の前の食事に手をつけ始めた。

新鮮そうな野菜にお手製だろうドレッシングがかけられている。

「、、、、、、。」

「どうした?口に合わなかったか?」

フウキが野菜を食って動かない私を心配して顔を覗き込んできた。

「、、、い。」

「ん?」

「美味い。美味すぎる。」

「お、おう。それはよかった。」

あぁ。生きててよかった。あの時死ななくてよかった。

私は泣きながら親子丼に手をつけた。

卵が半熟で美味しく鶏肉もお肉がプリプリで最高だ。

ご飯ともあっていて本当に美味い。

私の前世の苦労はこれを食べるためにあったのかもしれない。

泣きながらご飯を黙々と食っている私におじいさんは哀れみの目を向けてきた。

「お前さん、、、ほんとに苦労してきたんじゃな、、、、。」

「ずびばぜん、、、。」

「よいぞ。だってこれからはワシらの家族になるからな。」

おじいさんがそう言うとフウキはびっくりした顔でおじいさんを見た。

「は!?聞いてないけど。」

「ん?言ってなかったか?まぁもう仲良くなってるみたいだしよいじゃろ。」

「よくねぇよ!!いやまぁ一緒にいれるならいいけど、、。でもそれだと、、、、。と、とにかく!そういうのは相談してからにしろよ!」

「えぇーー。別にいいじゃろーー。」

なんだか面白そうなことになったので参戦することにした。

「フウキは私と一緒に住むの嫌なの?」

できるだけ上目遣いで泣きそうな顔をしながら言ってみたらフウキは耳まで真っ赤になった。

「だ、だからお前といるのは嫌じゃねぇよ。ただ、。」

「ただ?」

「家族になったら結婚できねぇだろ、、、。」

「、、、え?」

真っ赤な顔でそう言うフウキに私まで顔が赤くなってしまった。

やばい何をいえばいいのか分からない。

少しの沈黙が流れたあとおじいさんが気まづそうに手を挙げた。

「おーーい。イチャイチャするのはよいんじゃがわしもいる事忘れないでほしいなーーなんて。」

フウキはそれをスルーして私に言った。

「まぁいつかお前と暮らすことになるんだろうし、早くここになじめるよう頑張れよ?」

「はいはーい。」

「あ、そうだ。布団は今は無いから今日は俺と一緒に寝るぞ。」

「えぇ、、。フウキ寝相悪いし、、、。」

「悪くねぇよ。」

「え、わしスルー?まじ?」

そうして長かった1日は終わった。

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