始まりのクリスマスイブ
今日はクリスマスイブ、町中が活気づいている。
皆でチキンやケーキを食べであろう家族。
二人っきりで最高の時間を過ごすであろうカップル。
今日は世界中の人間が幸せであるのだろう。
俺を除いて
12月24日 クリスマスイブ
雪が降り積もる中、俺は目の前の彼女に自分の思いを伝えた。
俺たちがいる公園の中には俺たち以外は誰も居ない。静寂が俺たちを包む。
だけどその静寂を彼女の言葉が打ち壊す。
「ごめんね...私、直人君の事をそういう風に見れない...」
そう彼女が俯きながら言った。
「だから直樹君とは付き合えない...」
それが彼女の素直な気持ちなのだろう。自分の気持ちに嘘をついたりしない子だから。なのに俺は全く悲しくなかった。悔しくもなかった。それどころか何も感じなかった。
「そっか...なんか悪かったな変なこと言っちゃって」
俺は無理して笑って言った。自分ではちゃんと笑っているつもりだけど、多分引き攣った笑いになってるだろう。
「っ!?全然そんな事無かったよ...告白してくれたのはすごく嬉しかったよ...」
少しの間の後、でもと彼女は付け足した。
「直樹君とはいつまでも仲の良い友達でいたいよ...」
(友達でいたいよ)
この言葉を聞いた瞬間、トンカチで頭を殴られたような気がした。それと同時に頭の中にやっと感情が湧いてきた。
俺フラれたんだな...そう思うと何故か涙が出てきた。彼女の前なのに涙が止まらない。
涙を止めようとして目を瞑ると彼女との思い出が頭の中で再生されてきた。海に行った思い出。文化祭で屋台を見て回った思い出。後夜祭で踊った思い出。花火開会を見に行った思い出。
彼女との思い出は俺の高校の全てとも言って良いほどの物だった。
あぁ俺はここまで彼女に依存していたんだな...
でもこれから先、俺と彼女2人の思い出は作れないだろう。
俺はフラれたのだから。
彼女に受け入れられなかったのだから。
この作品は初めて僕が書いた作品です。
自分の実力を高めていきたいので、アドバイスや辛口コメントお待ちしております。