盛り沢山の鬱イベント
これから飢饉と疫病が襲ったり、魔人族が襲来してきたり、そこをカインが更にエグい有様に引っかき回したりと、この世界に未曾有の危機が次から次へと訪れることを俺は知っている。
勉強は昔から得意じゃなかったが、そうも言っていられない現状だ。
出来ることを増やしておかないと、後で困るのは俺だ。
悲劇に巻き込まれて何も出来ないなんて絶対に嫌だ。
「いまだってマグヌスがほとんどのおしごとをおこなってくれているでしょ。ぼくにもおしえてよ」
「で、ですが坊ちゃま」
「うん、まずはがくえんにいけるようにならないとね。でも、それとへいこうして、できることをふやしたいんだ」
マグヌスはしばらく目を瞬かせていたが、呟いた。
「その……ご無礼を承知で申し上げます。……坊ちゃまは本当に……ご当主様のお子でしょうか?」
「うーん……。かなしいけれど、ぼくのおとうさまはあれなんだよね……」
マグヌスに手紙を代筆して貰い、それをサリナに届けて貰っている間、俺はマグヌスと話をした。
案の定、マグヌスに必須+必要業務の9割を押しつけて(社交の場に出て女をナンパすることはやっていた)、金食い虫でろくでなしのレーフ公爵に本当は愛想を尽かしていたようだ。だが俺が16になって成人するまではと耐えてくれていたらしい。
「マグヌス、ぼくが16になるまではわるいけれども……」
「無論です。ですが坊ちゃま……その、無理に大人ぶらなくても良いのです。私はレーフ公爵家の執事です、いくらでもお待ちいたしますから」
……自殺した時には成人済みだったとか言えねえ。
だけど、とつい思ってしまった。
もし俺の側にマグヌスみたいな大人がいてくれたら、結果的に止められなかったにせよ、復讐をためらうことくらいは出来たのかな、って。
「ありがとう。マグヌスみたいなしんらいできるおとながそばにいてくれて、ほんとうにうれしいよ」
「も、勿体ないお言葉です……!」