3人揃って親の呼び出し
その時だった。
「あっ!何をしているんだ!」
教師の大声がして、直後に俺達は時計塔の外に引きずり出された。
その後は……大変だった。教師に大説教をくらって、その後で理事長にガミガミと怒られて、全員の親を呼び出されて、親も俺達にカンカンに怒って……。
そりゃ立ち入り厳禁の時計塔に勝手に入ったんだから仕方ない。
でも、激怒したデボラはマジで怖かった。
怒鳴る訳でもないのに、淡々としていたのに、じわじわと詰め寄られて、まるで真綿で首を絞められていく気がしたんだ。
追い詰められた俺達が、とうとう泣きべそをかいていた時だった。
「理事長!――例の物は、どこにもありませんでした……」
ヴァロの叔父に当たる教頭が顔を青くして駆け込んできた。
「そうか……。君達」理事長が険しい顔で俺達に訊ねる。「時計塔の中で君達以外の声を聞かなかったか?」
「「……」」
レクスとヴァロが俺を見つめて息を呑んだ。
「うん。こえにいわれて、くろいつるぎをぬいたよ」
――見る間に教頭と理事長が青ざめた。
「そうしたら、つるぎがきえて、こえもきこえなくなっちゃった」
バンッ!!!と理事長が机を叩いて立ち上がった。
「大神殿に連絡を!この子達からアレの残滓を祓うのだ!」
「経年劣化で封印が弱まっていた可能性は!?」
「あり得る!この子達は引きずり込まれたのかも知れんぞ……!」
神官がやって来て、俺達は大神殿に連れて行かれた。
大神殿に入るなり、素っ裸にされて水をぶっかけられ煙でいぶされて。冷たい、煙たい。こんなの拷問じゃないか。そうしてから俺達は、神官数十人がかりで変な魔法を唱えているど真ん中に連れて行かれて『お祓い』を受けたのだった。
「アレに対して、我々に出来ることは正直『気休め』程度です」
大人達が険しい顔で話し合っている。年老いた大神官が説明している。
「異変が見られたら、すぐに神殿へ連れてきて下さい。今も神々へ巫女総動員でお伺いを立てております。手の空いている神官には古文書を紐解かせております。何らかの託宣が下りますまで、我らも少しでも手立てを探します故!」
「私達の子がどうして……!」
レクスの母親が泣きじゃくって、デボラに慰められている。
「3人とも、狙われて魅入られた可能性がありますわ。でなければどうして封印を解けるヴァロ君まであの中にいたのかしら。明らかに……意図的じゃないかと思いますわ」
ごめん、何もかも俺の所為です。
ヴァロもレクスもマジでごめん。
後で土下座で詫びる。
――でも、絶対にヴァリアンナ嬢も助けるからな。




